「
皆既日食 2009(DVD付) (アスキームック)」がマニア向けと位置づければ、本書は初心者がターゲット。
ちょうど夏休みに入ったばかりの小学校高学年くらいの子供さんや、それに付き添う立場の若いお母さんを意識し、モデルさんにもその年代のひとを起用して、今回の貴重な天文現象をどうやって楽しみ、記録するか、砕いた説明をしている。
メインイヴェントの皆既日食だけでなく、夏の星座や、ちょうど09年夏に見頃の木星や土星も取り上げ、観察のポイントを解説している。夏休み中に全国各地で開かれるイヴェントの案内も嬉しい情報。
自由研究の宿題にはうってつけの参考書だ。
しかし、子育て時期もとうに過ぎ去った年寄りの目線で見れば、内容が必ずしも手放しで評価できるものばかりとは限らない。
巻頭のマンガで、若いお母さんたちを日食の解説会へ誘うのに、「(解説会の案内チラシを)へんなひとたちが配っていたの」と表現している。自分を貶め自虐的になるのはかまわないが、こんな表現では、アヤシゲな新興宗教に勧誘されたか、みたいに誤解してしまう。また、解説担当者のキャラデザインも、両の黒目がまるで極端な斜視になっているみたいな描き方で、ギャグとわかっていても親しみを持てる顔や表情だとは全然思えない。
最大の疑問は、「
皆既日食 2009(DVD付) (アスキームック)」と同じく、月刊誌『星ナビ』の別冊との位置づけだが、それらは左綴じ右開きの造本なのに、本書はなぜか右綴じ左開きの造り。シリーズの一環としてなぜ統一しなかったのか。非常に疑問だ。
内容は存在価値十分なのに、本質と無関係の細かい部分で不満が多く残る。★1個減点止むなし、如何?