本書の構成は次のようなものである。日本と朝鮮、そして中国の過去から近代への歴史をたどりながら、おのおのの歴史意識の違いを論証し、西洋列強の東亜進出に対抗する度合いの違いを見て、それによる文化創造の違いも見ていく。そしてその歴史文化意識の違いの現代における先端的な表れの一つが「竹島問題」であるとして、そこにアカデミックでありつつ、ジャーナリスティックでもある圧巻というべき論述を試みるというものだ。
著者の強みは平成十年まで十八年間韓国で教鞭をとった経験を持ち、韓国にあってまだ日本人に知られていない史料を存分に駆使できていることである。それを使って、明確に竹島が日本領土だと論証する全体の三分の一を占める堂々たる論述は、著者が韓国滞在中でも展開したものであり、それに対する有効な反論は出なかったものだという。
韓国側が歴史問題で日本側に対してよく使う「妄言」「日帝」といった威猛々しい決まり文句に対抗するには、著者のような地道な研究の積み重ねの実績が本当にものを言うのだというのが私の率直な感想である。
お勧めの本である。