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日野啓三自選エッセイ集 魂の光景
 
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日野啓三自選エッセイ集 魂の光景 [単行本]

日野 啓三
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

半世紀の間、作家は何を考え、書いてきたか。戦争の記憶が生々しい時代から、騒乱と繁栄の季節を経てバブル崩壊へ。一方で三度にわたるガン手術を乗り越えてきた著者の魂の軌跡。略年譜付き。

内容(「BOOK」データベースより)

半世紀の間、作家は何を考え、何を書いてきたのか。

登録情報

  • 単行本: 280ページ
  • 出版社: 集英社 (1998/12/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087743756
  • ISBN-13: 978-4087743753
  • 発売日: 1998/12/16
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 日野氏のエッセイ(思想)の入り口としてのまとめのエッセイ集, 2006/10/6
レビュー対象商品: 日野啓三自選エッセイ集 魂の光景 (単行本)
日野啓三氏の文筆生活四十年の魂の軌跡が、年代順に自己編纂された傑作エッセイ集。

通読して思うことは、氏は様々な領域から世界を考究し続けますが、その論考は様々な書物からの影響に加え、寧ろそれ以上に、氏の実体験(引き揚げ、焼け跡、廃墟、ベトナム、都市、癌など)にて感じ経験したことが核になっており、終始一貫した普遍的でリアルな軸が存しているということです。

過去の膨大雑多な文章から、自らの思索、生き方に、何らかの決着を着けるべく選ばれたという本書のエッセイ総てから、氏独自の、正に「魂の光景」が感じられ、読んでいて、優しくなったり、懐かしくなったり、温かくなったり、或いは眉間に皺を寄せていたり、カオスを感じたり、眼から鱗が落ちたり、不意に背筋がゾクッと震える感触が過ったり、色々と味わえます。

氏のエッセイ集は多く出されていますが、その入り口として本書は最適であり、お勧めです。本書をまずは読むことで、その後色々なエッセイ集を読んでいくうちに、ああ、これは確かベストエッセイ集で読んだことがあるなあ、という感覚が味わえるからです。氏は、「焼け跡」という戦後の、「物が物でしかない」というネガティヴなようでポジティヴな、世界は一切が虚無という真理を、幼少期に体験し、終始それが人生の核たる部分として残っていたようですが、それでも、いや寧ろそうであるからこそ、氏の書く文章からは、安直な意味合いではない、本質的な世界や文明に対する「愛」というものが感ぜられ、その冷たく優しい筆致が、私を魅了して止まないのだと思います。
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5つ星のうち 4.0 筆者の魂の放浪の軌跡, 2006/7/23
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レビュー対象商品: 日野啓三自選エッセイ集 魂の光景 (単行本)
50年代から90年代まで、氏の40年間の作家生活から厳選された16編を収録。

通読して感じるのは、氏の問題意識の一貫性です。それは、人知を超えたこの宇宙の秘密に達しようという試みであると思います。敗戦を「朝鮮」の「京城(ソウル)」で迎え、その後焼野原の東京で青春時代を過ごした筆者の出発点は、常に「虚」です。それは廃墟であり、空虚であり、無です。

そこから、どう生、そして存在が生じ、変化を続け、また無へと帰していくのか? それを突きつめるために、文学、科学、哲学、あらゆる分野に回答を求めて探求する筆者の魂の放浪の軌跡が本書です。その道筋で、日野氏はいつしか独自の地平を切り拓いていたことに、読者は気付かされます。

すべては虚無だ、と言いながらも、その軸となる何かを見据えようとする筆者の心の遍歴を読みながら、いつしか私も遠く拡がる宇宙と、刹那姿を垣間見せる生の真実に指先が触れたような感覚を覚える、そんなエッセイの集まりです。
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