最初の中国滞在録『日記』からはうってかわって、中国の人や大地に身も心も溶け込んでいる中井貴一がいる。中国の人の、おおざっぱなところや、いい加減なところなども、「想定内、想定内」と笑っている感じだ。そしてそんな国の特性なども見極めたうえで、『鳳凰 わが愛』という映画をどう製作していくか、役をどう演じるか、そこに集中している著者のプロ根性に感動した。最近とみに、海外で仕事をする俳優が多いし、「日本とその国との架け橋になりたい」なんて言葉もよく聞くけれど、やっぱり1回では嘘っぽい気がする。本当に再度中国に乗り込んで、日中合作映画を作り上げた中井貴一は立派だと思う。見習いたいものだ。