まず、これは面白い本である。中井貴一の書く文章は、あえて本人が意図しているのか、かなり軽い文体で綴られている。様々なエピソードもかなり笑える。ときに何度読んでも腹がよじれるくらいに。次に、これは感銘を受ける本である。俳優である中井貴一の映画作りに対するこだわり、情熱。そして、これは考えさせられる本である。日本は便利で清潔だ。だが、便利だ、清潔だということが本当に人間の幸せなのか。そして、これはじーんとくる本である。日本人だからという理由で中井貴一を毛嫌いしていた中国人女優が中井貴一に「あなたは私たちの仲間だから早くまた戻ってきて欲しい」と告げる。中井さん、どうもありがとう。また大変な体験をしながら映画作りをし、こんな本を書いてもらいたい。