いい本だとは思います。ただし読んだあとは実際には何が起きたのかをぜひ自分で調べてみましょう。
この本に啓発(?)されてゴミオプション(値のついていない極端にOTM)のプット売りに投資していた顧客のため、3・11の直後のマーケット変動での証拠金の強制決済ゆえの立て替え金支払いで、筆者の所属するひまわり証券が廃業に追い込まれたのは皮肉ですね。
3月末の決算書では決済のための立て替え金が約80億円、回収不可能と見込まれる貸し倒れ引当金(顧客が決済証拠金を支払いできない)が約30億円は、資本金30数億円の企業には厳しく、4月には80人の希望退職を募集し、証券業務を廃業し、いまはFXのみです。
本文で、想定を超える安値へのプットの売りはいざというとき10倍、100倍の証拠金の増加を呼び、とんでもない金額の強制決済になること、そのときは契約証券会社が立替をするので、その会社の存続を危うくし、従業員とその家族の生活を脅かすことになるので、やめてくれと頼んでいます。
まさにそのとおりになりました。
厳しいことをいうようですが、筆者はオプション取引の「リスク」はなにか、どのように限界を予測すべきかを語らず、無理をしないようお願いします、というレベルなのです。
筆者は、オプション取引の勉強の仕方を、車の運転にたとえ、カタカナがおおいだけ(ブレーキとかアクセルとか)でやる気があれば誰にでも難しくないと読者の心をくすぐります。でもわたしの車のマニュアル(ドイツ車ですが)の最初のパートは、まず安全運転の心構えから始まります。何億円の損失をこうむったひとには、自動車運転で亡くなったり障害を負ったひとと同じで、「次はうまくやろうね」ではすみません。