この本は、日本の国防に関心のある全ての日本人に読んでほしい本です。
後書きも入れて204ページの小さな本ですが、情報は豊富であり、また、元日本人であった(現在は米国籍)著者、飯柴さんの、日本を憂うる心情がひしひしと伝わってきます。
一言で言えば、飯柴元大尉が一番心配している事態は、日本がアメリカに見放され、ついにはChinaの属国になり果ててしまうという状況です。
彼自身の筆になる、日本の近未来における最悪の事態の想定(シュミレーション)が、P20からP22に書かれています。
最後には、2060年、日本の大部分は「中華人民共和国・倭人自治区」になり、北海道のみはロシア領土となる、というシナリオです。
私自身は、この最悪の事態「MDCOA:Most Dangerous Course of Action」が現実になるのは、もっと早いのではないか、と想定しています。
アメリカ軍の将校として、アフガニスタンで6カ月も最前線で戦い、又、大尉として米軍中枢部の動きを熟知している飯柴さんならではの、極めてリアリスティックな観察と提言は、日本の国防に関心のある如何なる立場の人々にも、非常に有益であるはずです。
飯柴さんは日本人として生まれ、若い頃に米軍の将校となる事を志し、米国籍を取り、その志を実現した稀な日本人です。
軍人として優れた資質を持つ事は、勿論ですが、米国籍を取った後も、彼の母国日本に対する愛国心は全く衰えていません。
そもそも、飯柴さんは、日本を守る為にこそ、米軍に入隊したのだそうです。
それは、憲法9条にがんじがらめにされた自衛隊が現実には戦う事が出来ない武装集団になってしまっているからでした。
この著書の小見出しのいくつかを紹介すれば、本全体の内容が想像できると思うので、そのいくつかを紹介しておきます。
第1章 日米同盟は最長でも2050年で終わる
・ 日本は力の落ちたメジャーリーガーのようにアメリカから捨てられる
・ 米国はカルガモの親鳥ではない。ヨチヨチついてゆくのは危険
第2章 私が現場で見た日米同盟最前線の真実
・ 「おとぎの国の軍隊」と戦う自衛隊の指揮所演習
・ ボールボーイを何年やっても野球選手にはなれない
第3章 日本とアメリカは一緒に戦えるのか
・ 役人自衛官、サラリーマン自衛官とは同盟できない
・ 自衛隊のIT情報戦略は“竹やり”レベル
第4章 米国の本音・中国の野望・日本の迷走
・ 米国の国家戦略は日本切り捨てへ向かう
第5章 中国の属国にならない為には何をすべきか
・ 尖閣諸島に日本人を常駐させることの大きな意味
・ イタリア憲法にならって憲法9条を進化させ、自衛隊から国防軍に
重要なことは、飯柴さんは、その立場にも関わらず、日本が常にアメリカにつき従ってゆけばよいという従米の立場を主張しているのではない!ということです。
対米自立をしたシッカリとした主権国家に、日本が生まれ変わって欲しいというのが、彼の念願するところです。
そのような国家であってこそ、はじめてアメリカとの真の同盟関係が構築できるのです。