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67 人中、61人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「日米一体」の防衛政策を緻密に批判,
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レビュー対象商品: 日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書) (新書)
外務省で中東、情報畑を歩んだ著者が防衛大教授退官を前に、なかなか辛辣に日本の外交政策の誤りを衝いた。著者の主張はきわめて明確だ。日米同盟は日本の基地提供=アメリカの日本防衛は十分等価であり、米軍に協調した自衛隊の海外派遣は不要、とする。米国のイラク政策について、風習を理解しないことを現地滞在経験から批判的に論じるほか、米国は冷戦後、日本に敵視政策を取ったり、米国に都合のいいように日本政治をハンドリングしてきた(やや陰謀論めいた記述だが)ことを指摘するが、最も蒙を啓かれたのは、日米の北朝鮮政策を論じた章だ。日本は米国に独自の抑止力を持たせてもらえないが、米国の対北政策は一貫せず、日本は米国に追随するだけでは北から守られない可能性もある。ゆえに外交は独自の路線を取り、北朝鮮に関してはグローバル経済圏に取り込み、相互依存の関係にすることが最善というものだ。 また、最終兵器といえる核戦略について、国際政治の世界で非常に高度な議論が展開されていることを知った。いわゆる「核の傘」について、米本土の攻撃でなければ、核を打ち返す価値はないとするキッシンジャーの論を紹介し、「核の傘」とは実は相手がそう思うか否かにすぎないあいまいなものであることを指摘する。 巻末の参考図書の紹介もただ紹介するのではなく、著者の一言コメントがついていて、親切でもある。外交安全保障両面で高度な議論が展開され、面白かった。
58 人中、50人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本のこれからの外交のあり方,
By FV (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書) (新書)
ソ連の崩壊によって東西冷戦という構図が成り立たなくなってしまった。肥大化した米軍は脅威の消滅による軍縮という道を選ばず、新たな脅威を作り出した。それが悪の枢軸として一方的に位置づけられたイラン、イラク、北朝鮮であった。そして9.11同時多発テロにより、その十分な捜査もなしにビンラディンを首謀者と位置づけて、国際的なテロ対策を口実にアフガニスタンやイラクに米軍は侵攻していった。 これは私たち日本人にとって他人事ではない。東西冷戦の終結を期に、日米安保条約から変遷していった米国の防衛政策により自衛隊の海外派遣が当然のように米国から要請され、実施された。 米国による核の傘では日本の安全保障が機能しない事は、著書の出版直後に発射された北朝鮮の飛翔体に対する米国の態度を見ても明白である。 著者は(少なくとも執筆時には)防衛大学の教授という立場にありながら、軍事力によらない日本の安全保障のあり方を提示している。 大いに勉強させられた一冊であった。
30 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
外交問題に関心のある人は必見の本,
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レビュー対象商品: 日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書) (新書)
面白い本です。日米同盟に焦点を当てつつ、実際には過去から現在に至る 日本の外交戦略全般について考察しています。 最後には、日本がこれから「進むべき道」にも触れているので、 日本の外交戦略を学ぶ上でたいへん参考になります。 文書は論文のような堅苦しさがあるものの、節々でわかりやすく 要点をまとめているので、意外にすんなりと読めました。 謀略論的な話にも積極的に触れられているせいか、 とくに過去の出来事に関して、表層的な見方をしていては難しい、 立体的に理解ができたように思います。 とくに面白かったのは、アメリカが強引に進めたイラク戦争について 述べているあたりです。 余談ですが、日本の官僚バッシングがアメリカの仕掛けによって 始まったという話も非常に興味深いものでした。 本書を読むと、日本には戦略がまったくないことがよくわかります。 外交の問題に関心のある人には、必見の本ではないでしょうか。
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