まずは、アメリカによる計画的な日本からの搾取を「振り込め詐欺」と表現したところが、この本を多くの人の手に取らせるためのうまいタイトルだった。
アメリカが押しつけてきた、あらゆるジャンルにおける規制緩和という改革の結果、日本のあらゆる分野の企業・団体が賭博金融商品を買わされ、膨大な額の損害を被っている様が明らかにされる。NPO法人しかり、大学しかり。駒沢大学が154億、慶応大学に至っては1000億を越えるのではないかとのことだ。
我々の年金も、社会保険庁による好き勝手な使い込みがなかったとしても、アメリカの金融商品での運用によってすでにその何割かが失われているという。
その年金の不正がらみで起きたのが、小泉毅による元厚生次官の連続殺傷事件だ。誰がどう考えても年金にからんだ事件としか考えられないが、小泉の語った信じがたい動機がなぜかそのまま受け止められ、年金テロではないことになったが、著者は口封じのための年金テロと見ている。
また、アメリカからの要求に応えようとしない、気骨のある政治家はスキャンダルで追い落とされた。アメリカに逆らった小沢と中川昭一は、それぞれ秘書の政治規制法違反による強引な逮捕、ワインに薬物を盛っての酩酊会見事件でその座を失った。
口は悪いが読みはよく当たる著者が、アメリカがこれまでに日本からいかにして金を奪ってきたか、そして今後数年の内に何が起きるかをおそらく的確に予測した極めて面白い本である。小沢一郎や中川昭一が本当に日本のことを考えている政治家であると、マスコミからは絶対に伝わってこない情報を伝えてくれる点も非常に興味深い。
説得力は少し弱いが、政治の舞台裏をすっかり明かしてくれる痛快な本だ。