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日清・日露戦争―シリーズ日本近現代史〈3〉 (岩波新書)
 
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日清・日露戦争―シリーズ日本近現代史〈3〉 (岩波新書) [新書]

原田 敬一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

立憲国家となった日本は、日清戦争、北清事変、日露戦争とほぼ五年ごとに大きな戦争を繰り返し、台湾と朝鮮という二つの植民地を獲得した。帝国議会が開かれた国内では、藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方、国民統合の動きも見られる。「輝かしい明治」像を問い直しながら、「大日本帝国」が姿を現した世紀転換期の二〇年を描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

原田 敬一
1948年岡山市に生まれる。1982年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専攻は日本近代史。佛教大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 258ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/2/20)
  • ISBN-10: 400431044X
  • ISBN-13: 978-4004310440
  • 発売日: 2007/2/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
明治維新後から太平洋戦争敗戦までというのは、司馬遼太郎が日本の歴史のなかで前後の時代と断絶してしまっていると評した時期。本来なら、学校教育(特に義務教育)で戦後とならんで子供たちに最も教えなければならない時代だと思います。議会や政党、内閣のあり方や靖国問題など、現代の課題に通じる事柄も多く、学ぶべきことが多い時代。それゆえに、新書形式でシリーズ化して取り上げた企画そのものを評価したいと思います。
さて、第3巻である本書。
本の範囲は、帝国議会発足から韓国併合までの約20年です。日本が国のカタチを整えつつ、外交(もちろん戦争も含めた)によって列強の一員になっていくプロセスを淡々と解説します。
歴史上重要な事柄(絶対に抑えておくべき事件)とそうでもないものの表現のメリハリがあまり利いてなく、予備知識なしで読んでいくのはかなりしんどいと思います。また、文章も客観的な(冷静な)表現に終始しており、歴史的事実と筆者の主観的意見が見極めにくい点には注意が必要です。それだけに、単純にこの頃の歴史をなんとなく知りたい、という人には情報が多すぎ、偏った歴史観をもたないよう、読者にそれなりの知識と読解力が求められると思います。(著者が語る歴史観が至極偏っているという訳ではないので、気にすることもないとは思いますが)
本書の内容については、タイトルの割に「日清・日露戦争とは(日本にとって)なんだったのか」という点について掘り下げが足りないように思いましたが、新書という限られた紙幅と近現代史を一気に振り返るというシリーズのコンセプトからすればやむなしといえましょう。
本シリーズで関心事を見つけて、類書で掘り下げていく、という読み方がいいのだろうと思います。
このレビューは参考になりましたか?
36 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
手堅くまとめられた本だと思う。また、帝国議会・軍後方・近代文学・労働運動・帝国憲法の成立当初の動性がいかに連動していたかを簡明に書かれてあるし、日本固有の植民地の問題(内外格差)も扱っており興味深い。

ただし、いくつか疑問点がある。

1.日本の植民地開発によって、植民地の経済・文化面における水準が上昇したことについて肯定的な意見があるが、これは現在の研究水準では一笑に付されると書いてあるのだが、その根拠について詳しい出典がない。
2. 日本側の功利主義的な考えで主導されたものでたとしても、日本が意図していなかったような植民地側での内発的発展を促進した例は無いのだろうか(実際、朝鮮台湾における民族資本の発達や度重なる弾圧にもかかわらず発禁→出版を繰り返す民族系新聞社の興隆という事象はどう捉えるのか)
3.石橋湛山の如きは朝鮮・台湾のような植民地に対する帝国の投資はその支出に比して利益があまりにも薄い、と、大正時代には既に認識していたわけだが、にもかかわらず朝鮮・台湾を保持しつづけたことを、功利主義のみで果たして説明できるのか。
4. 日露戦争は起きずにすんだ戦争と総括しているが、紛争当事者が完全情報を持ちあわせるなどというナンセンスなフィクションを仮定しなければそのような総括は不可能ではないか(それを言うなら第一次世界大戦など絶対に起きるはずの無い戦争であろう、というか非対称情報についてのゲーム理論ってご存知ではないよね)

これらの疑問点にはほかの書籍にあたるしかないのだろうが、これが研究者の専門的限界なのかどうか、少し意地悪く思ったりするのは私だけだろうか?

あ、それと日露戦争が対大韓帝国侵略戦争であるとの認識は、盧武鉉大統領が2006/4/20の演説で竹島の領有権について述べた(韓国大統領が公式に日露戦と竹島と対大韓帝国侵略戦争を結びつけたのは初めてだそうだが)それと類似しているのだが、もちろんこれは偶然だと信じたい。
このレビューは参考になりましたか?
32 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:新書
 「はじめに」での《1894年からの10年間で戦争を三回経験する日本近代は、戦争という外圧と軍隊という内圧で国家と社会を変える経過を当然視するようになる》《近代日本が、欧米文化の学習で優等生だったことが、1945年の破滅を呼ぶことになる》というあたりが問題意識か。本文ではあまり触れられてないが、江戸時代から《日本が、世界を把握できたのは、まずヨーロッパ語を中国で漢訳したものを通じてであった》として『世界地理書』や『職方外紀』の地球、地中海、紅海、熱帯、病院、大学、文科、理科、幾何、代数、方程式、微分、積分、摂氏、華氏などの言葉を今でも使われているとして、維新後に日本製新造漢語が大量につくられ輸出されたことばかりが語られすぎていると批判しています。ここを読んでも、司馬史観に代表される「輝かしい明治」というテーゼを学術的に壊しておこう、という明確な意図が感じられます。

 日清戦争の始まった1894年の朝鮮の夏は暑かったそうです。猛暑の中を18kgもの背嚢と武器・弾薬を装備して行軍した日本の兵士たちについて《日本の軍隊は、日清戦争からアジア・太平洋戦争終了まで50年間、アジアを歩き続けたと言っても過言ではない。その始まりである。アジアを歩き続けて私たちは何を見てきたのか、歴史を問う意味がここにもある》(pp.74-75)と書いてあるあたりは名文。また、食糧・衣類・弾薬・病人を運ぶために臨時採用された軍夫たちが軍人の数の10〜20%もいたとは知りませんでした。彼らは笠をかぶり、浅黄木綿の筒袖の上に、○○組と染められた法被と股引を着、草鞋履きだったそうです。
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