本書を購入する気になったのは、合気道創始者の植芝盛平が出ていたからだった。盛平は武道の創始者でありながら、霊能者だったのか?他にも初めて目にする霊能者の名前が出ていて、興味津津で読み進んでいった。植芝盛平は熱烈な大本教信者であり、ゆえに大本教の出口王仁三郎のパインタラ(今のモンゴル近辺)行きに同行したほどだった。その出口王仁三郎、植芝盛平の名前が収められているのもおもしろい。
松本清張の『昭和史発掘』第1巻には「天理研究会事件」が収録されている。これは天理教から分かれ、今でも大阪に本部がある「ほんみち」教団が弾圧を受けた事件なのだが、同じように大本教も戦前に二回、弾圧を受けている。宗教団体が受けた弾圧の時代背景とはどういったものなのか、文明開化といわれた明治期以降、霊能力者はどのように評価されていたのか、その概略を知ることができる。
藤田小女姫、宜保愛子、そのほか、30名の霊能者がコンパクトに収められたこの一冊をわくわくしながら読んだ。
なぜ、大衆は不思議に惹かれるのだろうか。
なぜ、科学者は全てが解明されているわけではないのに、霊能者を否定から解説したがるのか。
武道と霊能者のつながりとは。
既存の宗教とはどのように違うのか。
文学者はなぜ、オカルト的なものが好きなのか。
小さな一冊だが、茫漠とした「何か」が詰まったガイドブックだった。
江間俊一という霊能者が収録されているが、この人は加山雄三さんのご先祖様になる。(本書にはそのような記述はされていませんが、加山さん本人が新聞のコラムに書いていました)