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日本陸軍と中国 (講談社選書メチエ)
 
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日本陸軍と中国 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

戸部 良一
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

陸軍「支那通」──中国スペシャリストとして、戦前の対中外交をリードした男たち。革命に共感をよせ、日中提携を夢見た彼らがなぜ、泥沼の日中戦争を用意してしまったのか。代表的支那通、佐々木到一たちの思想と行動をたどり、我が国対中政策失敗の原因を探る。

内容(「BOOK」データベースより)

陸軍「支那通」―中国スペシャリストとして、戦前の対中外交をリードした男たち。革命に共感をよせ、日中提携を夢見た彼らがなぜ、泥沼の日中戦争を用意してしまったのか。代表的支那通、佐々木到一たちの思想と行動をたどり、我が国対中政策失敗の原因を探る。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 256ページ
  • 出版社: 講談社 (1999/12/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062581736
  • ISBN-13: 978-4062581738
  • 発売日: 1999/12/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
戦前の日中関係は、その後の太平洋戦争を考える上でも重要なため、以前から良い本を探していた。ところが、侵略だ、いやそうじゃないなど、とかく政治問題化しがちな部分でもあり、なかなか良書に巡り合わなかった。

しかし、本書は「支那通」の陸軍軍人を鍵として、実にわかりやすく語っている。辛亥革命から袁世凱、軍閥が割拠して、張作霖爆殺など、複雑でわかりにくかった歴史が見事にわかる。

快刀乱麻である。

ちっとは名を知る人も出てくる。田中義一、板垣征四郎などなど。支那通たちの夢とロマン、期待と思惑が交錯し、満州の権益や欧米列強の思惑もからむ。軍閥を操っているつもりが、結局は、逆に操られていた、という解釈が新鮮だった。ぼんやりとは考えていたけれど・・。

ようやく「善!悪!」を抜きにして、こうした問題を論ずる書が出てきたことを、心から歓迎したい。

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21 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
もっとも中国を知っていたはずの「支那通」が、結果としては、中国の近代史のなかで最も重要な底流であった「国家意識の形成と凝集力の存在」を見極められず、我が国を泥沼の戦争へと引きずり込んだ。著者によれば、これは「支那通」が、そのロマンティズムの故に陥った逆説的宿命であったということになる。実のところ、戦後も、今度は左翼系知識人を中心に、あたかも「新中国」こそ地上の楽園であるかのような気分=これも「ロマンティズム」にほかならないだろう=に支配されたわけだが、それから二十数年が経過した今、こんどは「中国はかならず分裂する」類の、これまた逆の「ロマンティズム」が大手を振っている。本書の功績は非常に大きいと思うが、できれば、「支那通」を特徴づけた「ロマンティズム」の正体を、いま一歩歴史的かつ哲学的に掘り下げてみせてほしかった。その点で、敢えて四つ星とした。非常な良書だが、読む側にもかなりの水準を求める点で、読者に媚びる姿勢とは対極にある本である。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ふぁんどり VINE™ メンバー
形式:単行本(ソフトカバー)
 戦前、中国情勢にもっとも詳しかった組織は陸軍であったという。彼らは現地で自ら情報を蒐集し、中央にはそれを分析し研究する部署があった。また、中国問題のエキスパートとして組織の中で養成され、実務にあたったのがいわゆる「支那通」軍人であるという。
 本書の問題設定は、彼ら「支那通」が実際肌で中国を感じ、国民革命に共感し、中国と連携して欧米と対峙する夢をえがいたにもかかわらず、結果として中国を蔑視し、支配することを当然と考えるに至ったかという点にある。
 明治時代の陸軍草創期から終戦間際の和平工作まで筆がおよぶ本書において、著者は佐々木到一という人物に焦点を当てる。彼は陸軍軍人でありながらほとんど孫文の側近でもあり、蒋介石から賓客として遇され、満州国軍の建設に心血を注ぎ、南京虐殺の際には一方の指揮官であった。
 彼は軍閥をことのほか嫌悪し、国民党に期待していたという。孫文に心酔し、蒋介石の将略に期待した。しかし彼はあくまで日本の陸軍軍人であった。日本が中国が混乱している間に扶植した権益を、ナショナリズムの高揚した中国が回収しようとしたとき、それを「裏切り」と感じるほかなかったという。
 しかし、ここで権益を返上して政策の転換をはかることができなかったのは、佐々木に代表される「支那通」のせいばかりではない。「陸海軍も、居留民も、紡績業を代表とする現地企業も、国内世論も、既得権益を放棄する政策転換を支持するとは思えなかった」ゆえに、日本は中国ナショナリズムを「膺懲」する道に走る。
 本書を読み、陸軍だけに中国侵略の責を負わせることはできないとあらためて感じる。佐々木到一は、蒋介石の北伐に従軍中に、激高した中国兵に暴行されて重傷を負い帰国した。その彼に、マスコミは売国奴とのレッテルを貼ったという。この事件を機に佐々木自身も国民党に幻滅するが、日本の朝野はそれよりも早く国民革命を敵視していたのだ。まったく、何が「陸軍悪玉論」か。陸軍が悪玉ならマスコミも悪玉であろう。
 中日友好、日中友好。どちらでもよいが、耳に心地のよい言葉ほど実践は難い。現在、友好のために日本は尖閣諸島を中国に譲れるか? 沖ノ鳥島のEEZを放棄できるか? 中国は東シナ海のEEZを日本に譲れるか?
 巻末の索引がやや不正確な感があるが、とても読みやすく面白い。日中関係を考える上で非常に参考になる一冊だった。 
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