出版社/著者からの内容紹介
鍼灸医学は実践から理論が構築されてきた医学体系であり、人により地域により時代により治療処置が異なることから様々な流派が存在します。しかしこれらを整理してまとめた書物はこれまで存在しませんでした。そのため鍼灸を志す後学の者にとって、日本の鍼灸にはどのような流派が存在し、どのような考えのもとに如何なる特徴を備えているのか、これら全貌を知るすべがなく、少なからず混乱を招いているのが実情です。本書は学校教育や一般臨床で現在行われている日本鍼灸の診察法を整理し、一冊にまとめた初めての解説書です。 内容をイメージしやすいように豊富で多彩なイラストを各所に収載しました。
著者からのコメント
本書で取り上げた診断技術の成り立ちは大きく二つに分けられる。一つは病因病機の推測に役立つ、陰陽・五行・気血津液・臓腑・経絡などの理論から導き出されたものである。もう一つは診断即治療を行うために治療行為の特性から導き出された診察法である。したがって、鍼灸の診察技術には理論から学ぶものと、治療技術や臨床実践を通して学ぶものとがある。前者について教育の場で最も学生に納得してもらいやすかった病因病機の考え方を紹介している。後者については学校で教育することが可能だと考えられる代表的な手法を紹介している。
本書は、学校教育や一般臨床で用いられている日本に今ある診察法を整理したものであり、本書を熟読して頂ければ、日本鍼灸の構造の一端を垣間見ることができると思う。
さらに、本書の別の使い道として、辞書として用語の理解にも活用でき、症状一つにしても、東洋医学の用語で病のメカニズム(病因病機)を解説している。この病因病機を理解し、鍼灸臨床を東洋医学の目線でもって常に捉えられる思考回路を持って頂ければ幸いである。