マニアックな内容だが、鉄道産業史を地図に全て落としこむという独自の手法を貫いたことは高く評価される。
もちろん、見にくさはあるが、それは最小限に抑えられている。ただ、各線の推移を表にまとめてあるがこれはデータの羅列で芸が無い。それでも、地図一枚で九州の鉄道の歴史が鳥瞰できる意義は大きい。
九州は北海道と並ぶ産炭地として独自の鉄道網が発展した地域だが、その形成課程は個々の企業が主導したものだけに、石炭産業が衰退した今となっては歴史の闇に沈みつつある。このムックがその一部とはいえ照らし出したのは意義が深い。
資料代としては安すぎる。まさに宮脇俊三さんの鉄道廃線跡シリーズ以来の傑作です。