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日本辺境論 (新潮新書)
 
 

日本辺境論 (新潮新書) [新書]

内田 樹
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (130件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本人とは辺境人である―「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

内田 樹
1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 255ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/11)
  • ISBN-10: 4106103362
  • ISBN-13: 978-4106103360
  • 発売日: 2009/11
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (130件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
この国は辺境であり、日本人固有の思考や行動はその辺境性によって説明できるとして、辺境人として生きる術(すべ)とその可能性をあえて多様なテーマを扱いながら“辺境”という共通項を引き出して論考を企てる。本著は大上段ではなく軽いフットワークで逃走するひと頃の逃走論のようでもありますが、サブカルチャー的スタンスで析出する楽しい教養本ともいえます。
赤塚不二夫の「これでいいのだ!」とまではいかないけれど、本著でくり広げられる現実肯定論はありふれた楽観論などとはまったくちがっていて説得力があり信憑性も高い。だから、いつの間にかゴミだめのようになった頭の中をスッキリと整理させてくれるようでもあり、凝り固まった思考の筋肉がほぐれる心地もします。だから、おもわず「そうかぁ、これでいいのかも!」と少し元気にもなってくる。
辺境人の「学び」については、紹介された「張良の逸話」や落語の「こんにゃく問答」のくだりもおもしろいけれど本当にいろいろ考えさせられた、というか腑に落ちるところが多々ありました。
虎の威をかりる狐のように辺境人は「学び」の効率を考える能力を本質的に備えているらしい。したがって、辺境人は師を選ぶことをしない。即ち学ぶ人の意思(考え方)や師との関わり方、その態度で決まるという大変まっとうな結論にいたる。これはすごい。
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206 人中、162人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
形式:新書
タイトルは刺激的だ。
近年の新書のベストセラーは、タイトルの話題性も重要。
その点で本書は成功している。内容もタイトルから連想される通りである。

しかし、冒頭部分における、批判に耳を貸さないという著者の宣言は、自説を検証可能な形でオープンにして自他の発展に役立てようとする学者としての姿勢を否定しているという点で、疑問を抱かざるをえない。しかも、その言い訳に、印税をもらうために書いているのに「ボランティア」と例えているのには驚く。

だがもっと残念なのは、自説の根拠としている史実の解釈において、あちらこちらで強引さが見られる点である。

例えば、ベルサイユ会議で日本の代表が自国権益に関すること以外喋らなかったから多くの国を失望させたとある。だが、実際は、日本は当時としては画期的な理念であった「人種差別撤廃案」を提唱している。賛成国多数でありながら、日本人移民排斥運動など人種差別的な黄禍論が根強かったアメリカが決議方式を変更して阻止したのである。ところが、著者はこれについてさえ、日本の偏狭性にスポットを当てた触れ方をしている。しかも、世界を大きく失望させた点においてはこんな比でない、この会議で方向性が決まった国際連盟に結局アメリカが加入を拒否した点には言及していない。

実際、主戦場であったヨーロッパにおける利害と領土配分と賠償金が大きなテーマとなったこの会議において日本の発言が少なかったのは当然のことだろう。少なくとも、全体的に見ればこれが著者の主張の裏付けとして適切な例だとするには無理がある。そのせいで日英同盟が解消したという主張も飛躍が過ぎる。他にも、ロシアの南下政策と日本の大陸進出政策の違いの理解や、後半の宗教に関する部分についても疑問符がつく。

要は、まず結論ありきで歴史の中から自説の補強のために都合の良さそうな部品を探して手っ取り早くつなぎあわせ、そのつなぎ目の矛盾や調べが足りない部分についてああいえばこういう式でせわしなく目先を変える文章力と想像力で補って煙に巻いているだけに読める。寄せ集めの断片的証拠と個人的見解がごちゃまぜになった部分の難解さもそこからくるように思われる。その手法がいけないとはいわないが、であればもっと時間をかけて丁寧に素材を整理し慎重に検証してから世に出すべきだろう。

さらに、この本は、その日本がどうすべきかをきちんと示していない。
世界は大きく変わっている。
日本の位置づけも変わっている。
失われた十年を経て日本は元気を失い、手探りのまま停滞を続けている。
今の日本国が置かれた厳しい状況や未来を考えると、従来の説を強引な史実の解釈を伴って勝手流に焼き直しただけの日本論では寂しい。激動する世界の中で、日本及び日本人が進むべき道を骨太に提起することも試みるべきだろう。
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112 人中、86人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
新潮新書は「バカの壁」以来、聞き書きがお家芸なのかもしれないが、本書も多忙な著者の例にもれず口述筆記のたぐい。それにしても「まえがき」に、「最初にお断りしておきますけど、本書のコンテンツはあまり(というかほとんど)新味がありません」、「最初の論件に入る前に、さらに二三お断りしておかなければいけないことが」、「もう一つ予想されるご批判は」云々。本文に入っても、「もう一度申し上げますが、この本には、ほとんど創見といえるものは含まれていません」、「何度も申し上げますけれど、この本にはみなさんが期待しているような『新しい情報』はありません」云々。前置き、言い訳の連発である。内田樹の本は20冊近く読んでいる。意外な視点に目からウロコ状態になることがしばしば。しかしブログをもとに本にするにしても、口述にしても、編集作業がいい加減なものがあまりにも多い。著者も編集者もゆるゆる状態である。
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