内容説明
どこか変だなと感じる文でも
意味がわかってしまうのはなぜか?
繰り返し使われる文のパターンから浮かぶ「類型的意味」。その「類型的意味」にあてはまるように、ちょっと変な文に意味を補ってみたり、臨時的に語の意味をずらしてみたり。こんな理解のメカニズムは、変な文だからといって切り捨てるのではなく、考察の中心に置いてはじめて明らかになる。
【本書は、語用論研究そのものを行ったのではなく、語用論の分野の問題として文法論研究からは切り離されてきた言語現象について、語用論の成果を参照しながら、日本語文法論の立場で説明を試みたということになる。
こうした考察により、人間が行うコミュニケーション上現れる様々な文の意味がどのように生まれ、意味理解され、柔軟に運用されるのか、人間がどのように少ない言語知識を用いて無限とも言える豊かな意味を創造しコミュニケーションを行っているのかという問題の解明に、日本語文法論の立場からも寄与するものがあるのではないかと考える。】……終章より
著者について
天野 みどり (アマノ ミドリ)
1961年、東京生まれ。筑波大学第一学群人文学類言語学専攻(日本語学)卒業、筑波大学博士課程大学院文芸言語研究科言語学(日本語学)単位取得退学。博士(言語学)。
新潟大学人文学部助教授を経て、現在和光大学表現学部教授。
主著・論文に、『文の理解と意味の創造』(笠間書院、2002)、「周辺的な尊敬文の考察」『日本語文法』4巻2号(くろしお出版、2004)、『学びのエクササイズ 日本語文法』(ひつじ書房、2008) 。