「日本語って こんなに凄いんですょ!」と、名翻訳家が言葉を尽くして日本語を褒めまくっています。翻訳家の立場から見た日本語の"潜在能力"が色々と例示されており、日本語の"柔軟さ"・"奥深さ"を再認識しました。
ありとあらゆるモノ(外国語、誤読、方言、言葉遊び、フォーマット...)を貪欲に飲み込む強力な"胃袋"を持っている日本語、そして、造語能力にも長ける日本語。そんな日本語を本書の中でも縦横無尽に使いこなす柳瀬先生。「将棋は奥が深い」と天才・羽生善治氏が唸るように、「日本語は天才だ」と言祝ぐ柳瀬先生は正に"キサイ"(鬼才・奇才・機才)です。つまり、素人目には有限にしか見えない将棋盤の中に無限の世界を羽生氏が見ているように、日本語における様々な可能性を柳瀬先生は見ていることが伝わってきます。(そのホンの一端を本書でご披露している訳ですね)
中高生にも読めるように意識して書いたとのことで、確かに難しいことは書いてません。しかし、日本語の話をしているはずが、いつの間にやら脇道にピョンピョンとそれます… まるで話題の"桂馬飛び"。それもまた、(慣れれば)心地よし。あっと言う間に"柳瀬ワールド"に引き込まれ、約2時間で読了しました。文庫本でお手軽に読めるようになって良かったですね。本書を読了して、"良質な日本語"をもっと沢山読みたいという意欲が沸いてきましたょ!!!
【追記】いろは歌のような「パングラム」についてはWikipedia等もご参照。英語にも「完全パングラム」はあります。(例:"Cwm fjord veg balks nth pyx quiz.", "Jumbling vext frowzy hacks PDQ.") 多分、母音字をあまり含まない単語(子音連続)が使える言語なら完全パングラムが作り易いかも?(Wikipediaにロシア語の例あり。チェコ語はどうなんだろう?) 日本語は("ん"以外の)全ての文字が母音を含んでいるので完全パングラムを比較的作り易いんですね。
【追記2】小関智弘さんの本によると「"治具"の語源は"jig"」とのこと。思わず「日本語って天才!」と唸りました。