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日本語の起源 (岩波新書)
 
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日本語の起源 (岩波新書) (新書)

大野 晋 (著)
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出版社/著者からの内容紹介

日本語とはどこに起源を持つ言葉なのか.旧版(一九五七年刊)では答の得られなかったこの問いに,数多くの単語,係り結びや五七五七七の短歌の形,お米や墓などの考古学的検証,さらにカミ,アハレ,サビなど日本人の精神を形作る言葉の面から古代タミル語との見事な対応関係を立証して答え,言語と文明の系統論上に決定的な提起を行う.


内容(「BOOK」データベースより)

日本語とはどこに起源を持つ言葉なのか。旧版(一九五七年刊)では答の得られなかったこの問いに、数多くの単語、係り結びや五七五七七の短歌の形、お米や墓などの考古学的検証、さらにカミ、アハレ、サビなど日本人の精神を形作る言葉の面から古代タミル語との見事な対応関係を立証して答え、言語と文明の系統論上に決定的な提起を行う。

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30 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 功罪相半ばする一冊, 2007/3/4
 日本語の起源という日本語学最大のテーマに挑む一冊。伝統的な国語学の範囲における係り、五七五七七の短歌の形,カミ,アハレ,サビといった単語の精神文化的研究は大変示唆に富むものであり、読むべきところが多い。
 しかしきわめて残念なことに、日本語の起源をタミル語と、比較言語学的な手続きを全く経ずに強引に結び付けているが、全く理解に苦しむところである。大野氏の師である橋本進吉先生は草葉の陰でどう思われているだろうか。
 一部で「クレオール」という用語や概念を振り回す傾向があるが、クレオールを理解していないと言わざるを得ない。近年の対照言語学や言語類型論の観点からも、タミル語以上に日本語との文法の類似性を見せる言語はすでに相当数報告されている。タミル語の文法のみを取り上げる理由はない。また、いつ、どのようにしてタミル語をはなす人々が日本列島に到達したのか。また、その間に中間にあたる言語が存在しないのはなぜか。大野説に固執し、不要な論難を行い、これまでなされてきた誠実な言語学の努力や成果を侮辱する人々は以上のような疑問に答える義務がある。
 大野氏の文体は非常に流麗であるので、多くの人々には一見説得力があるように見えるようだが、比較言語学的にはほとんど意味がないものだと結論せざるを得ない。岩波新書という権威と入手のしやすさから、本書が多くの言語学の素人を惑わせているとすれば、その罪は重いといわざるを得ない。
 個人としての氏の逝去は悼むし、古典文法の功績について、評価すべき点について評価するのはまったくやぶさかではない。しかしもはや、なぜこのような「トンデモ」本が出版され、一定の認識を得るという悲喜劇が起こったのか、出版や学術研究のありかたや集団心理について解明する時期であろう。

 学術的なタミル語説の検討については、次のような書籍を読まれることを薦めたい。
堀井令以知 「比較言語学を学ぶ人のために」
村山七郎 「日本語タミル語起源説批判」
安本美典 「新説!日本人と日本語の起源」
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10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 膠着語, 2008/11/29
By kaizen (愛知県) - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
日本語、朝鮮語、ツングース語、モンゴル語、トルコ語と同様、タミル語も膠着語だそうだ。
インド南部のタミル語と、日本語をむすびつけるのは想像を絶する。
ただ、中国南部を訪れたとき、漢民族よりは日本人に近いという印象を受けた。
特に、朝鮮半島から来た渡来人以外の人々と、中国南部、タイの人々は似ているような気がする。

そんな印象から、研究自体は面白いと思う。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 執念ともいえる熱意を感じる一冊, 2008/9/21
By jimdon (神奈川県) - レビューをすべて見る
タミル語説に懐疑的であったため、手に取りました。
結論から言えば、あまり説得力は感じられません。
反論できる知識は、持ち合わせていないので、どこがおかしいなどとは、指摘できないのですが、全体的に首をかしげながら読んでいた感じです。
ただ、熱意は強く感じました。
執念ともいえる程の熱意で、タミル語説に懸ける努力と行動力には、尊敬の念を抱きます。
これらの研究結果が良い方向で活かされれば良いのですが、少々的外れな印象は否めず、とても残念です。

内容について気になった点をひとつ挙げておきます。
第一章『六.五七五七七の韻律』のところの最後のほうで、歌集サンガムには、五七七という日本の片歌と同じ形式の作品が多数あるとのところで、日本語では片歌では形式が短く、一首としては不足気味なので作品が少ないと指摘しています。
その理由として、日本語は一音節語が少なく、五七七の十九音節では単語が足らず十分な表現ができないが、タミル語では一音節の子音終わりの形で一語をなす単語が少なくないので、十九音節でも多くの単語を含められる、と。
いくら単語の対応語数が多くても、また五七五七七の韻律が同じ形式であっても、文章としたときの韻律とその意味は、まったく一致しないのでないかと思い、大きな違和感を感じました。

読んでみて、とても勉強になったと思うので、日本語の起源・成立について感心のある方は、読んでみて損な内容ではないと思いますが、その内容については、疑問も多い一冊です。
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