もともと色彩語に関する部分を参照したくて購入したのだが、本書がこれまで読んだことのある日本語解説本とスタンスを異にしていたことがとても印象的で、示唆に富んだ内容だった。
著者の小松英雄氏は日本の歴史を研究してきた方で、日本語史の目的とは、「現に話されている日本語を、日本語話者の集団によってコントロールされているダイナミックな体系として把握し、日本語運用のメカニズムを、そして日本語に生じる変化のメカニズムを理解すること」であると、巻頭言で述べている。
基本色彩語が世界的に見ても同じ色であり、文化が発展するに従い色の種類も分化していくことも同様で、似て非なるもの・ことを伝える必要性が生じるからこそ、言葉が増え、表現が増え、定着していくということには納得できる。
言語やその他の非言語コミュニケーションは全てコミュニケーションを目的とした手段としてダイナミックに変化して適応してきた結果であり、その変化は使われ続ける限り終わらない。
TwitterだろうがFacbookだろうが、その他道具と呼ばれるものは全て目的を達成するための媒体であり、使うこと自体を目的にしても発展はない。目的に向かって使うからこそより効果的なものに進化するのである。
我々がほぼ自然に使っている言葉も同様に単なる道具であり、常に変化するものであるということを明確に認識できたことで見えることも多いはず。