吉本さんが、田中理恵子(水無田気流(みなしたきりう))さんを相手としてビデオ収録した『芸術言語論』
これを田中さんが編集解説して、東京工業大学で、吉本さんを「特任教授」とするビデオ講義となりました。
内容は、『言語にとって美とはなにか』の表現転移論を発展させたものです。
いきなり、『源氏物語』は、退屈である、と本音が語られ愉快になります。
途中、共同幻想論にも言及され、芸術としての言語は、対幻想と個人幻想の間にある。
よって、共同幻想のみでできている統治的短歌には、人間性がないので、芸術的ではないと断言されます。
短歌は、万葉集の問答歌である片歌が発展したもので、上の句と下の句とに分けられ、並行関係から上下関係に変化した。
これは、上の句の客観描写を下の句の主観表現が受けるという関係のことです。
このことは、芭蕉の俳句においても一句の中に主観表現が込められているから、芸術的作品となっているのだと説き及びます。
最後に若い詩人27人の詩を読んだ感想を述べています。かなり否定的に作品に対する疑問が語られています。
このうち水無田気流さんの作品を好意的に批評していますが、
目の前にいる女性編集者が水無田気流さん本人であることに気付かなかったとのことです。(微笑)