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日本語と時間――〈時の文法〉をたどる (岩波新書)
 
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日本語と時間――〈時の文法〉をたどる (岩波新書) [新書]

藤井 貞和
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

古代人は過去を表わすのに、「き」「けり」「たり」など六種もの「助動辞」を使い分けた。ひたすら暗記の学校授業を思い出し、文法を毛嫌いするなかれ。それら〈時の助動辞〉は、何と意味・音を互いに関連させながら、一つの世界を作っているのだ。では、なぜ現代は「~た」一辺倒になってしまったのだろう。哲学・比較言語学など大きな広がりをもつ、刺激的な一冊。

内容(「BOOK」データベースより)

古代人は過去を表わすのに、「き」「けり」など六種もの「助動辞」を使い分けた。ひたすら暗記の学校授業を思い出し、文法を毛嫌いするなかれ。それら時の助動辞は、何と意味・音を互いに関連させ、一つの世界を作っていたのだ。では、なぜ現代は「~た」一辺倒になったのか。哲学・言語学など大きな広がりをもつ刺激的な一冊。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/12/18)
  • ISBN-10: 4004312841
  • ISBN-13: 978-4004312840
  • 発売日: 2010/12/18
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 分かったような、分からないような, 2011/2/17
By 
レビュー対象商品: 日本語と時間――〈時の文法〉をたどる (岩波新書) (新書)
 日本語の「時」に関する助動詞の変遷に関する著作。基本的な文法変化の事実関係、取り上げられている文学作品の解釈には特に問題はないが、それに関する話の膨らみは、興味深いといえば興味深い。しかし、よく読むと、「ではないか」「なかろうか」「感じられる」などといった言い方が多く、厳密には論理や実証に色々と疑問があり、すっきりしない。(文学や詩とはそういうものだ、といえばそうなのかもしれないが。)
 アイヌ語や哲学まで視野に入れた構想や、その指し示すところは興味をそそるものだから、古代人の感覚を蘇らせることができるか、今後の論証に期待、というところだ。ただ気になるのは、大野晋の「タミル語説」を肯定的に引用し、援用している点だ(149-153ページ)。非常に重要な点であるように思われる。岩波新書としては、タミル語説を公式に支持していると考えてよろしいのだろうか。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 日本語話者の古代人は最大8種類の過去を表す助動詞を持っていた, 2011/2/28
By 
Gori "the 11" (東京都) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 日本語と時間――〈時の文法〉をたどる (岩波新書) (新書)
「日本語話者の古代人は最大8種類の過去を表す助動詞を持っていた」という論考である。
で、現代語は「た」にすべて任せている訳だ。

・きーーー過去の一点を示す(語り手であろうとなかろうと)
・けりーーー時間の経過〈過去から現在へ、過去から続いて今にある時間)
・ぬーーーさし迫る、既定となりつつある時間・〜てゆく、〜てしまう
・つーーーついいましがた、さっき、〜てのける、〜てしまう
・たりーーー〜てある、〜てしまいいまにある
・りーーー〜(し)おる、〜(し)ある
・けむーーー〜たろう(過去推量)
・ありーーー「なり(に・あり)」「たり(と・あり)」などの構成要素

以上8種である。これらを使い分けるのが古代人のごく普通の言語生活だったというが、
きっと、豊かではあるが、使い分けられない人もいて、そういう人は蔑まれたのだろうなあ、
とも思うのである。何故そういう必要があったのだろうということにも言及して欲しかった。
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9 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 今後の古典文法の確実な一歩, 2011/1/19
レビュー対象商品: 日本語と時間――〈時の文法〉をたどる (岩波新書) (新書)
ついに出るべき本が出た。この本は、副題にあるように「<時の文法>をたどる」というところに類書にない新しさがある。古代人は時間を類別して「き、けり、ぬ、つ、たり、り」の6種類の助動辞(一般的には助動詞)を使い分けていたが、現代ではこれらが「た」に集約されてしまった。ここまでは類書にもある観察であるが、本書はこれらを更に分解して、「k. s, t, n, m, r」の要素を抽出して立体的に再構成するとともに、新しい観点からそれぞれの機能を検証するのである。その過程で、推量の助動辞「む」から「am.u」、シク形容詞から「asi」を抽出するところが本書の白眉の一つであって、従来の国文法の、母音をすべて活用の末尾に含めてしまう教条的な考え方を修正して、「am.u, asi」のような構成が必然であることを認めたことで、今後の古典文法の確実な一歩を踏み出したのである。

著者の主張しているように、これらの助動辞を古代人のように自由に使いこなせるようになることが古典文法の大きな目標でなければならないが、それには本書では不足である。なぜならば、「am.u, asi」のような構成を認めるのであれば、本書には指摘のない「iki, it.u, in.u」などの構成を全面的に採用することが必須であり、それによっていわゆる動詞活用の全面的な見直しに繋がるはずだからである。また、本書の後半は現代語の「た」につながる通時的な説明に流れてしまうが、助動辞の機能ということでいえば共時的な分析に踏み止まり、時の助動辞のみならず助動辞全体を俯瞰することが不可欠であろう。本書でも扱う助動辞の承接(例えば、iki.ari)には、その前提となる語順や膠着の順序を含めた構文(シンタックス)への示唆もほしいが、必要なことをうまく切り出して提示した本書は「時をえた文法」である。
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