著者は「主税局長、国税庁長官を歴任」という堂々たる経歴の持ち主であり
この方の主張する税金の話は、ポジショントークは一切無く真剣に「日本」の為を
考えているようにみえる。
議論に入る前に「就業構造基本調査」(総務省統計局)を検索して読んでみてもらいたい。
H19年の15歳以上の有職者数は約6,600万人 うち雇用者数は約5,700万人
その年収は700万以下の人が83.2%を占め、最頻値は200万〜299万である。
つまり、税金を納めている人の大半は雇用者であり、日本国民の半数が雇用者であるといっても過言ではないと
データが示している。その雇用者の『税込み年収』で一番多いのは300万付近である。
なのに、サラリーマンの源泉徴収が不利であり著しく不公平という話はP.109〜P.110のみ
源泉徴収を辞める辞めないの議論をしないまま、『消費税UP』という結論になだれ込んでいきます。
著者の主張する『3年毎に3%引き上げ計10%引き上げ』(P.177)だと生活していけるのでしょか?
来年度も社会保障費の引き上げの予定ですから、ますますサラリーマンは馬鹿にされている。(役人から)
前提1.「取れる所から取れるだけ税は取る」
前提2.「雇用者は日本の未来を担っていない。リスクを背負っている経営者、賢い役人が担っていると役人は考えている」
前提3.「費用対効果とは役人が知恵を使うことではなく、楽になること」
この前提を頭の片隅においてこの本を読むと役人の都合が見えてきます。
日本の自営業の廃業傾向は増加の一途をたどり、ますます雇用者は増えていくでしょう。
なぜか、このような偉い方は一番の納税者集団の事を一切省みず納税マシーンとして利用する事を
前提に議論を展開させていきます。
日本経済は救われるかもしれないが、国民の半数を占めるサラリーマンは地獄に突き落とされるだけでしょう。
さらには、納税者番号は無理(p.112〜116)という議論もあり、役人の都合満載の内容です。
結論から言わせて貰うと、「お前ら役人は会社の経理部を税務署の下働きにこき使って楽している上に、さらにサボる事ばかり考えていたのか?」
と怒鳴り込みたくなる気分になります。
「相続税と固定資産税は根本から見直す」(p.185〜202)などは「解っているなら権力を握っている間に改善しておけ!」と叫びたくなるでしょう。
役人に税金の改革は無理という事がわかったので、星は一つ追加します。利害関係者の「ベタ褒め」レビューで埋め尽くされるでしょうから
サラリーマンの視点で批判レビューを立ち上げておきます。