扇動的な表題、著者の妙に力の入った写真等、買う気の失せる装丁なのだが、中身はいたってまともで日本の財政問題の核心を分かりやすく議論してくれている。
投資家が国債を投げ売りをするような自暴自棄の行動はありえない、とする楽観主義者の議論に対して、発行済みの国債が問題なのではなくこれからさらに発行されるであろう新規国債の原資が枯渇しつつある現状を確たるデータをもとに説いているのでぐうの音も出ない。さらに、国債を発行し続けなければならなくしている行政の政策の歪みを的確に指摘。打つべき施策も提示してくれており道筋が明快。
著者の一人である竹中平蔵氏の「小泉改革」に対するやや自画自賛的なコメントと他の著者のそれに対する気の使い方が少々鼻につく感はあるが、現状の政治の無策を見れば竹中大臣待望論もそのうち出てくるかもと思わせた。
本書は衆参ねじれ国会になっている「今の今」を切り取るような形で討論されているので、おそらく半年後には状況が変わり本書での状況分析も古臭くなっている可能性がある。シリーズ的に1年ごとに改訂版を作って欲しい企画ではある。余命といわれた3年後に読み返してみるのも面白いかもしれない。