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日本百名山 (新潮文庫)
 
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日本百名山 (新潮文庫) [文庫]

深田 久弥
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

旧い歴史をもち、文学に謳われ、独自の風格をそなえた名峰百座。そのすべての山頂を窮めた著者が、山々の特徴と美しさを語る名著。

内容(「BOOK」データベースより)

記紀にその名がしるされ、万葉びとが畏れを抱き、平安歌人によって歌われ、俳人芭蕉はその雄峰を讃じ、北斎や大雅を魅了しつづけ、宮沢賢治が四行詩に歌った、日本人の生活と精神的風土に深く結ばれてきた名峰百座の個性を、簡潔な文章に凝縮させた山岳随想の古典。
--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 535ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2003/04)
  • ISBN-10: 4101220026
  • ISBN-13: 978-4101220024
  • 発売日: 2003/04
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 いい本です。, 2011/9/1
レビュー対象商品: 日本百名山 (新潮文庫) (文庫)
北アルプスや南アルプスに行くと、百名山にチャレンジしている人に出会うことがある。
話をしてみると、自分はもう70座登った、80座登った、次はこの山、その次はあの山、と話は尽きない。
しかし、よく聞いていると、この人、「日本百名山」を読んでいないな、と気づくことがある。
その度に、「日本百名山」のブームってなんだったのだろうと思う。
深田久弥の文章に憧れて山に興味をもったのではなくて、百名山のリストに振り回されているだけなのではないかと思ってしまう。
そして、深田久弥の「日本百名山」の山岳文学としての価値と、百名山リストに振り回されている素人登山家の行動とを混同してはいけないと思う。

この本はいい本だと思う。日本の山の中から、百山を選んで紹介するという企画もいいと思う。
こういったコンパクトなガイドブックや旅行記を作ることは、日本人のお家芸なのではないかと思う。

(こういった本に対して日本人の精神の貧困さを嘆く評論家がいるが、そのとおりかもしれない。いい車に乗ること、いい大学に入ること、いい会社に入ること、出世すること、ブランドものの洋服を着ること、煎じ詰めれば、これらのことは貧困なる精神のなせるわざだと思う。そして私は、自分を含めて、貧困じゃない精神の持ち主に出会ったことがない。また、貧困じゃない精神の国が、有史以来存在したためしがないことを確信している。)

本書に対する批判としてよく言われるのは、百名山に選ばれた山だけに登山者が殺到し、選ばれなかった山は寂れていくというものがある。
しかし、本書によって山の格差が生まれたのだとしても、その責任は、深田久弥だけが負うべきものだろうか。

葛飾北斎の「富嶽三十六景」を見て、世界中のどれだけの人が、富士に憧れ、富士を描き、富士山に訪れたか。
(そして富士山ばかりを描いているからといって、北斎を非難する人がいるだろうか?)

十返舎一九の「東海道中膝栗毛」を読んで、江戸の人々は、どれほど旅に憧れ、旅に出て、珍道中を経験したか。
(そして東海道ばかりを書いているからといって、一九を非難する人がいるだろうか?)

芭蕉の「奥の細道」を読んで、どれだけの人が松嶋や平泉を訪れ、つわものどもの夢の跡を眺めながら、一夜漬けの風流人になり、慣れない俳句をひねったか。
(そして東北・北陸ばかりを書いているからといって、芭蕉を非難する人がいるだろうか?)

深田久弥の「日本百名山」を読んで、どれだけの人が山に興味を抱き、山の面白さに開眼し、山に入っていったか。
(そして、百の山だけを書いているからといって、深田久弥を非難する人は、・・・・・なぜか絶えない。)

しかし問題は、本書自身にあるのではなくて、この本に匹敵する本がまだ出てこないという点にあるのではないか。
田中澄江や岩崎元郎をはじめ、いろんな人が本書に類する本を書いているが、本書には及ばないと思う。
つまり、深田久弥の1人勝ち、対抗馬がいないことに批判される原因があるのではないか。

(この本を非難している暇があったら、深田久弥が選ばなかった素晴らしい山を一山でも多く紹介すれば良いのにと思ってしまう。そういった努力をせずにいるから、本書が絶対的な権威になってしまうのだと思う。)

深田自身、本書が日本の百山リストの決定版であるとは考えてはおらず、きっと叩き台のつもりで書いたのだと思う。
彼もきっと、自分の後を継ぐ人が、続々と出ること望んでいるはずだ。

この本を叩き台にして山について話をすることは楽しい。
しかし、そのような経験は、これまで、ほとんどなかった。
百名山ハンターのほとんどは、「日本百名山」を読んでないからだ。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 流れの中の必然, 2011/1/12
By 
@poor work - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 日本百名山 (新潮文庫) (文庫)
90年代半ばにNHKで日本百名山が放送されて以来、
百名山ハンターもすっかり定着した感があります。
一方でそれは山の俗化を呼んだという指摘も数多く聞かれます。
そしてそれを「深田久弥の百名山の功罪である」とする声も。

しかし僕は、その因を深田久弥その人に帰結させることは困難だと思うのです。
いわゆる百選による風景のコード化は、深田によらずとも、近現代の顕著な潮流です。
かつて歌枕や古跡名勝の地に意味の風景を感じていた日本人は、
近世の西欧文明の流入により、やがて科学的視点から風景を捉えるように変わってゆきます。
その始まりは、遡れば貝原益軒や古川古松軒などに代表される近世紀行文からも読みとることができます。
山もまた、同じようにその洗礼を受けました。

ウェストンの日本アルプス探訪記を読むと、彼が笠ヶ岳を登山を試みた際、
「山の神の居ます山だから」
という理由で、案内を拒絶されるくだりがあります。
日本人にとって、かつて山は神の宿る場所であり、
また今も大和の三輪山がそうであるように、神そのものでもありました。
かつて日本で行なわれていた修験道や仏僧による登山は、
山を征服するものではなく、むしろ精神的に山と一体となる、
という趣のものであったかと思います。
しかし山が聖性を失った近代登山は、あくまで山を対象として捉える傾向が強くなります。
主客の別が生まれたとき「100選」のような平滑化された風景概念が生まれるのは、
必然の流れではないかと思うのです。
事実「百選」は深田その人のみが考案したものでも敷衍したものではなく、
彼がやらなくても、恐らく誰かが「百名山」を作ったでしょう。

文字とは本当に不思議なものです。
一人の人間が主観的に「百名山」として綴った文章が読み継がれ、
多くの人々の中に概念を作ると、それが一種の権威となって、一般に定着してゆくのです。
僕はこういった不思議さも踏まえて、山を、風景を楽しみたいと思っています。
山の楽しみ方は千差万別人それぞれ。誰にも何にも縛られる必要はないから。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 今更ですが, 2011/9/26
レビュー対象商品: 日本百名山 (新潮文庫) (文庫)
文学書としては、少し物足りないかと思いますが、
当時の山登りを巡る、時代の空気を知るには、興味深く
面白い内容だと思います。

百名山巡りの方が、今日はどこそこの山を…、と
自慢気に話されているのを耳にします。

山登りに目標を持つことは、とても良いことです。
ただ、数稼ぎそのものが目的となってしまったのでは、
とても残念なことですよね。
山は「やっつけ」たり、「片づけ」たりするものでは
ありませんからね。

百名山を登り終えたら、もう、山はお終い、とならないよう、
そんな気持ちでじっくり読んで頂ければと思います。
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