日本周辺から知られている全ての海水魚・淡水魚(外来種および一部の絶滅種を含む)を網羅した、魚類の分類・同定のための図鑑。魚類を扱う研究機関や教育機関であれば、ほぼ例外なく持っているはずの基礎資料である。
内容はタイトルの通り「検索」を主な目的としたもので、高次の分類群からスタートして当てはまる特徴を選びながら選択肢をたどっていくと、最終的に該当する種にまでたどり着くようになっている。それぞれの種については、標準和名・属名・学名・形態的な特徴のほか、体長・棲息場所・分布(これはあまり絶対視せず、だいたいの目安程度に考えておいた方が良い)などの情報も記載されている。ただ、検索機能を使いこなすには多少の熟練が必要なほか(私自身も初めて使った時、3回やり直して3回とも別の種にたどり着いた上、後から調べ直したところ3つとも全て間違いだったという経験をした)、切開・染色や顕微鏡下での観察が必要な形質も多いなど、ある程度の専門知識と技術が要求される。実際に使用する時は、あらかじめ科か、せめて亜目のレベルまで分類群を絞り込んだ上で検索を行うようにした方が良いだろう。
検索で使用された形質以外に、各魚種の絵も種の特徴を反映したものとなっており、そちらからの判別も可能である。ただし絵は基本的に白黒の線画で、一見した印象は実物と多少異なるため、単純な絵合わせやイラストを描くための資料、野外での種の判別といった使い方にはやや不適かもしれない。