地方都市の中心市街地の衰退は本当にひどい。郷里に帰省するたびに目にする、街なかから店が消え、空き地や駐車場が増えていく光景は、もはやまさしく「マイ・ロスト・シティ(失われた街)」といわざるをえない。
その一方で、郊外にはもはやそれ自体が一つの街を形成しているかのようなショッピングモールやイオン。モータリゼーションがもたらした現状は、今後の高齢社会を考えると絶対に何らかの対応が必要だろう。
そんななかにあって、コンパクトシティは、にぎわいを取り戻して街を再生させるための1つの有効な選択肢となりうるかもしれない。
この本で示されている多くの課題のクリアは決して簡単ではないけれど、著者がいうように、「プロセスプランニング」によって時間をかけて考えていかなくてはならないし、そのときに必要となるのが、そこに住む人たちの合意。どんな街に住みたいのか、どんな街にしたいのか。農村VS市街地、市民VS自治体、都市計画畑のひとVS商業畑のひと、といろんなところでの議論を重ねて、ひとつの方向としてまとまれば面白い。あとはコンパクトシティの考え方にプラスして、それぞれの都市がいかに独自の個性を見出してまちづくりができるかにかかってくるだろう。
今後のまちづくりを考えるうえで役立つ1冊。