米国側の資料と元日本海軍搭乗員の証言をもとに書き上げられた、この日系人航空史研究家による著作は、日本側資料による訳者注釈を得ることで、原典を超える価値を持ったと言えるでしょう。
紙幅の関係で、とり上げられた搭乗員が極少数であることだけが残念ですが、これまで日本でも知られていなかった事実なども記されており、非常に興味深い一冊です。
赤松貞明中尉が、たった一人で75機ものP-51マスタング戦闘機に挑んだ戦いは、この書物により初めて多くの人々に知られる事になったのではないでしょうか。
著者のヘンリー・サカイダ氏は、アメリカを訪れた元日本軍搭乗員と親交を結ぶ一方、アメリカ国内に残る遺品の返還などの地道な活動を通じて、次第に元搭乗員の方々の信用を得るまでになったということです。
多くの搭乗員が迎えた悲劇的な結末と、生還された方々の語る言葉は、時代を超えて読む者の胸を打ちます。