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日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より
 
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日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より [単行本]

澤地 久枝 , 半藤 一利 , 戸高 一成
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

勝算もなく、戦争へ突き進んでいったのはなぜか。「国の将来なんか考えるよりも、自分の局部局部でやりまして」「本当に検討されず、どんどん勢いに流されていった」――。太平洋戦争の作戦立案をした海軍トップエリートたち。その生の声を記録した「海軍反省会」録音テープによって、はじめて明かされる日米開戦の内実。その衝撃をめぐる白熱の鼎談。

登録情報

  • 単行本: 192ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/12/7)
  • ISBN-10: 400024289X
  • ISBN-13: 978-4000242899
  • 発売日: 2011/12/7
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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32 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
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NHKの鼎談番組の書籍化本。注釈やメッセージ、あとがき付きで、DVDを買うよりは割安。但し、事前にNHKスペシャル取材班『日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦』(新潮社)を一読するか、又はその原番組を観てからの方が、より深く本書の内容を理解できると思います。

「でもどうして、日本海軍がこんなにドイツを信奉するようになったのかがわからなくて、ずいぶん、この反省会に出ている人たちに聞いたんです。それで、あるとき千早正隆さんが、それはおまえ簡単だよ。ドイツに行って大歓待を受けて女を抱かせられたんだ、と」(38頁、半藤氏)。
「軍人というのは、過去の戦を戦うんです」(48頁、半藤氏)。
「必ず対米劣勢の艦隊となるなかで、絶対に勝たなくてはいけないという前提でくるものだから、リアリティのある作戦を立てていたら絶対に負けるんですよ」(66頁、戸高氏)。
「組織というのは不思議なくらいに、少し飛び抜けて一歩進んだ人はいらないんです」(68頁、半藤氏)。
「陸軍は三国同盟を結びたいから、「予算を海軍の希望通りにする」と約束した」(87頁、半藤氏)。
「せっかく反省会をやったのなら、もう少し、人間的な痛みというものがあってほしかったですよ」(104頁、澤地氏)。
「事実として戦争のことを残すのは大事だけれど、物語としての戦争がどんどん多くなっているというのは、じつは危惧しているんです」(147頁、半藤氏、澤地氏のいう「借景」(148頁)も同旨であろう)。

なお、特攻作戦を実質的に決めたのは伏見宮であったというくだり(109〜110頁)は、またこいつかよという感じでした。

それにしても、当時の海軍参謀たちの目線(あるいは立ち位置)は、今日の官僚達のそれと同じではないのか。こういう立場にあられる方々は、「エリート」であると勘違いする前に、まず人間性(感受性、想像力)を磨いてほしいものである。
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By INAVI トップ1000レビュアー
本書は、NHKで放映され話題になった「海軍反省会」の証言についての、半藤翁、澤地女史、戸高氏の鼎談。
肝心の「海軍反省会」の証言については、NHKが出版している本を買ってくださいとばかりに、殆ど収録されていない。

この点を考えると、「海軍反省会」を視聴and/or購読した、このあたりの歴史がお好きな向きを対象とした本と思われるのだが、そのくせ、山本五十六、太平洋戦争、アドルフ・ヒトラーにまで注釈をつける丁寧ぶりは何って感じ?
NHKの方によると、件の番組は「いつもは60〜80代が視聴層なのが、30〜40代の反響が大きく」とのことなので、初心者へのフォローを怠りなく行った「皆さまの受信料」マインドということか?

澤地女史が、ノンフィクションの文書という抑えを外したことで、wikiをして「アカ」「左翼」と書かしめる直情的なツッコミを飛ばしまくりで、珍しく半藤翁が抑えというか守勢に回るところが、一連の半藤翁の座談本読者には面白い展開。
それにしても、翁も女史も御年80を超えているが、そうした世代が最後の戦争の語り部になっているということに改めて気付かされる。

最後に、二人の戦争体験が語られている。銃後(とは言えない死と隣り合わせ・向かい合わせの経験なのだが)の一利くん・久枝さんの見た・味わった戦争は、不思議と心に響くものがあった。
鼎談の終盤で、澤地女史の勢いに押されたかのように見えた三人揃っての「310万人が死んだ戦争から学ばずして省みずして何とする」ってなくだりが、二人の戦争体験という重さをBGMにすると、すごく心に染みてきた。

僕もそうだが、30〜40代の「若い人」は戦争自体を体験することは出来ないが、それでも、こうした先達達がリレーしている過去からの言葉はキチンと受け止め、リレーに加わるべきなのだろう。(巻末に、いったい若い人って何歳だよ?と思わんばかりの3人からのメッセージが添えられている。)
本書から、海軍批判、軍人批判、あるいは翻っての現代の官僚批判をすることは容易い。しかし、そうした安易さに3人が警鐘を鳴らしていることを読み落とすと、批判するだけの愚者に転落する怖さがあることを忘れてはならないだろう。聞きかじりの批判ではなく、先ずは苦労して勉強すること。この点では群を抜く苦労を尽くしてきた3人の言葉の重さこそ、肝に銘ずべきものだろう。

いつもの戦争座談会とは違う趣向で、得られる情報量も決して多くはないが、それ以上に心に来るものがあったので、☆5つに増しました。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
『日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より』(澤地久枝・半藤一利・戸高一成著、岩波書店)には、驚くべきことが書かれている。

第1は、第二次世界大戦の敗戦後35年を経て密かに始められた「海軍反省会」という秘密の会合が存在したこと。

第2は、この部外者に公開されることのなかった会の内容が、録音テープ(400時間分)に記録されていたこと。そして、これらのテープが現在まで奇跡的に保存されており、今回、公開に至ったこと。

第3は、日本海軍のトップ・エリートたちが何の長期展望も戦略もなく、闇雲に戦争に突き進んでいったことが、この録音テープで明らかになったこと。陸軍に比し、海軍は論理的、合理的だったという幻想が崩壊してしまったこと。

第4は、日本海軍が、勉強を怠らず、大局観を備えた真に優れた人材――例えば、堀悌吉、井上成美など――を組織の中枢から排除するという愚策を弄し続けたこと。残念ながら、同様なことは、現在のさまざまな組織でも巧妙に行われている。

第5は、「海軍反省会」のメンバーであるエリートたちの誰もが、自分の部下である兵士たちの命を奪う無謀な作戦に対し、何のためらいも持たず、反省もしていないこと。澤地も半藤も戸高も、このことに怒りを顕わにしている。

日本海軍は素晴らしかったという幻想を抱いている人は、この本で目を覚ましてほしい、また、現在の組織や企業の責任者は、この本から組織のあり方を学んでほしい――これが著者らの切なる願いだろう。
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