江戸時代の海運を担ってきた北前船の歴史・風俗史。北前船に携わってきた船頭や船乗りの伝承から、海運の花形であった千石船と共に歩んできた歴史を、北前航路の発展と衰退を語る本。北前船の船頭が船主となり、明治維新後には巨大な西洋船を購入して日本海から世界の航路へと発展していくが、逆に北前船が衰退していく過程は近代化の荒波の成せる技であろうか。と同時に、その近代化の礎になりうるほどの裕福さを持っていた北前船の持ち主たちの財力の凄さや、船乗りの家族達の生活などに触れていく。日本海沿岸の風俗の見方はあくまでも優しく、近代化が遅れた事を「裏日本」と揶揄する人達に反論する。
近代化と共に消えていった北前船の持つ魅力を、日本海沿岸の自然と共に、北前船の財力で太平洋まで開拓した人物達を短いながらも活力ある文章で書かれている。良書!