この作品について、「円谷英二監督の遺作となった、特撮の華。連合艦隊の艨艟を人間の視点で(神の視点ならば簡単)見事に映像化。映画館で朝から夜まで延々10時間観た記憶がある。丸山誠治監督」と、私のビデオ目録データベースに記録している。当時は入れ替えもなく、夏休み中の子供には千円足らずで一日楽しめた良い時代だった。
佐藤勝の音楽が素晴らしい。寝た子も起きる序奏に続く軽快なマーチと海を圧し進む映像は、夏が来るたびに観たくなる。
当然知らなければならない事だが、かってこの国の若者は、ペリーが来た「癸丑以来」、亡びないために死力を尽くした。
国の姿を変え、先進国の優れた技術を取り入れ、「列強の侵略を受けない」国を創ろうとした。高杉晋作が列強支配下の上海を見て、このままでは「遂ニ支那ノ覆轍ヲ蹈ムモ計リ難シ…」と倒幕を決意し、坂本竜馬が薩長同盟をまとめていなければ、他の者が、列強支配の各個撃破によるこの国の植民地化を防げたかどうか…、断言できない。この映画はそういう若者たちへのオマージュでもある。
俳優陣も豪華だ、三船敏郎さんは言うに及ばず、加山雄三が広瀬武夫、仲代達矢が明石元二郎など豪華な布陣。仲代明石が刺客の襲撃を悠然とかわすところなど、流石!ファンである笠智衆さんの乃木大将も嬉しいし、佐藤允(また見たい俳優さんです)の「「国親爺座ろ」と覚えとけ!」など、長年見なくても忘れないシーンにあふれた、いい映画でした。
この映画が封切られたのは、司馬遼太郎さんが「坂の上の雲」を上梓した年でもある。三年越しの映像化が話題の今夏、ご観になってはいかがでしょう。