シニアになって、このごろ、自分の生まれてから聞いてきた、耳になじんだ音楽の由
来や素性を知りたくなった。
mp3やyoutubeという便利なものに気がついて、いろいろと「大利根月夜」の頃から
プレーヤに採集をしているところである。
本書は、大正時代あたりから現在までの「流行歌」を、その時々の社会・政治状況
を踏まえて、どのように変遷したかを書いたものである。
前書きによれば、著者の願いは、今、ひばりとともに?終焉した大衆音楽の再生であり、
未来の構築のためには、まず「過去の事実を知ることが必要」なのである。
社会の変化を背景に、流行歌の移り変わりを丁寧に、客観的に論じてわかりやすく
なるほど、こういうことで、あの歌が好まれたのかと、うなずくことがたくさんあった。
数多くの名曲が言及され、百科辞書的にも利用できる。
youtubeでみたひばりが楽しげに歌っている「お使いは自転車に乗って」が、昭和18年
(裕次郎映画によくでていた)轟夕起子がはじめ歌ったものだとか、知らなかったことが
沢山でてきたのも、うれしいことである。
「ひこうき雲」のことが触れられていないなど、不満はあるものの、座右において読みた
い本である。
なお、ブギウギがブルースの速度を速めたものだとか、音楽理論に基づく解説も書かれて
いる。