多感な思春期に読んだカッパノベルスの「日本沈没」上下巻。SFが日本国を、日本国民を語る重厚さに感動した昔は忘れられません。ラジオドラマも毎晩ラジオにかじりついて聞いておりました。今回の再映画化(詳細はともかく。原作とはほとんど別物みたいですよね)であの興奮を思い出していたところへ、第二部の刊行!! 胸躍らせて読み始めました。ワタリ、花枝、邦枝、中田… 懐かしい名前を見ては、甦る感動にちょっとウルウル。予想以上に壮大な導入部に感激。しかし、話の細部が少しずつ粗くなったように思われ始め、中盤は何となく散漫になりかかり、そして最後は広げた風呂敷を慌ててたたもうとするような終わり方をしてしまって、何とも無念。これではミソをつけてしまうのでは…? どうせならもっと紙面と時間をかけても、きっちりと書き込み、書き上げて頂きたかったです。
原作者・小松左京氏は初めから第二部を構想しておられた。本書を実際に見て、そのことをはっきり思い出しました。33年という時間の経過、更には御自身が阪神大震災で被災されるという困難を乗り越えられて、このプロジェクトを立ち上げられたことには敬意と賛辞を表します。日本沈没本編が、それだけ卓越した着想と日本への愛の賜物だったということでしょう。私にとって、日本沈没本編の価値は何ら揺らぐものではありません。