伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。全国民必読。話題映画の原作。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
アイデンティティーの根幹,
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レビュー対象商品: 日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2) (文庫)
出だしは、面白そうだという期待を持たせてくれる。が、最初の100ページほどは、はっきり言って退屈である。しかし、前半の途中から、物語は急展開を見せはじめる。中規模の地震がひんぱんに起こり、休火山が次々に噴火する。そして、災害はその規模を増していき、ついに「その時」が来る…東海地震、東南海地震、南海地震が同時に起こるかもしれないと懸念されている今、日本沈没の部分は除いて、地震の描写などは決して絵空事ではない。 ひとつの国が消滅するということがいかに大変なことか、この本は明確に示してくれている。国土を失うということは、単に生活が不便になるなどというなまやさしいものではない。国という存在によって私たちのアイデンティティーは成り立つ。それを失うということは、自分を作っている基盤が崩壊するということである。自分を取り戻すためには、自己の根底にあるものを再構築しなければならないのだ。それがどれだけ難しいかは、考えてみれば分かるだろう。 小松左京は、決して文章がうまい作家ではない。情景描写も、他の作家に比べて、真に迫っているとは言い難い。にもかかわらず、この小説は、人の心を引きつける。書かれた当時としては斬新な構想と、スケールの大きさで、十分読者を引っぱっていくことができる作品になっている。構想の勝利といえる。
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
SFというジャンルを超えた作品。読んで損はない(下巻),
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レビュー対象商品: 日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2) (文庫)
私は根っからの文系人間である。だから、正直、この作品の科学的部分が殆ど理解できないので、30年以上前に書かれたこの作品が、現代の科学において荒唐無稽なものとされるかどうかは判らないが、そんなことは関係なく、現代でも充分通用する面白さである。日本沈没という設定から、ありとあらゆる状況を創りだしてゆく著者の想像力に驚くばかりである。中盤以降の展開は圧倒的である。 ただ、天変地異という自然現象が主役となっている作品なのでしょうがないのかもしれないが、もう少し人物の描写に筆を割いても良かったような気もする。しかし、それが過ぎると焦点がぼやけたかもしれないので難しいところではある。 とにかく、SFというジャンルの枠を超えた小説である。読んで損はない。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
精密な科学的な説明は分からなくてもすごい・・,
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レビュー対象商品: 日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2) (文庫)
東日本大震災の後に読んだために現実のこととして多くの事象が体感できた。 9年もかけて綿密に科学的・地質学的なことが立証されて いる上に、一つの国が沈没することで いかに多方面(対外関係の緊張・駆け引きや諜報活動、 国民の大移動、学者同士の対立、国の財産の保持など)での 決定や実行が機能的且つ迅速に動かなくてはならないことが 実によくわかるし、こうして文字にすることと 実際の動きとは全く違って 為政者や各方面のトップはほとんど 気が遠くなるような胆力がいることがわかった。 そして、この本出版後に起こった阪神大震災の情景が まるで「既視感」を感じさせるものだというのがすごい。 これに原発をからめたものが 東日本大震災なのだろう。
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