伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。全国民必読。話題映画の原作。
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
SFというジャンルを超えた作品。読んで損はない(上巻),
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レビュー対象商品: 日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1) (文庫)
私は根っからの文系人間である。だから、正直、この作品の科学的部分が殆ど理解できないので、30年以上前に書かれたこの作品が、現代の科学において荒唐無稽なものとされるかどうかは判らないが、そんなことは関係なく、現代でも充分通用する面白さである。日本沈没という設定から、ありとあらゆる状況を創りだしてゆく著者の想像力に驚くばかりである。中盤以降の展開は圧倒的である。 ただ、天変地異という自然現象が主役となっている作品なのでしょうがないのかもしれないが、もう少し人物の描写に筆を割いても良かったような気もする。しかし、それが過ぎると焦点がぼやけたかもしれないので難しいところではある。 とにかく、SFというジャンルの枠を超えた小説である。読んで損はない。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
今だからこそ…,
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レビュー対象商品: 日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1) (文庫)
本作で小松左京氏が真に描こうとしたものは、拠るべき国土を失うことで世界の孤児とならざるを得ない民族の悲しみと絶望、そしてその後の過酷な流浪の姿だった。その国土喪失の理由を地殻変動による日本列島の崩壊・海没としたわけだが、そのスケールの大きさゆえに筆がなかなか進まず、そうする内にも様々な社会情勢の変化で次々と加筆・訂正を余儀なくされ、結局列島沈没までを「第一部」とした本書の上梓に9年という月日がかかったと、'73年の映画公開の頃、某メディアで氏が語っていたのを覚えている。 それだけの年月と工数をかけただけに、その内容は緻密かつリアル。それまでは地質学上のごく専門的な知識だった「プレートテクニクス理論」や「マントル対流」などといったものが、本書をきっかけに一般に広く知られる様になった。 また、当時高度経済成長期真っ只中で様々な分野に大きな影響力を持ち始めていた日本という国が無くなる事により生じる、世界各国間のパワーバランスの変化とそれをめぐる駆け引きがリアルに描かれているのが、今読み直しても非常に興味深い。 災害描写も生々しい。直接描写の部分もさることながら、災害による交通網の寸断で生じる物資不足とそれによる混乱など、今回の震災で実際に起こった様な状況がそこかしこにちりばめられ、そのリアルさにある意味慄然とさせられる部分も多い。40年前にこういったものを描き切った氏の分析力・筆力には驚愕せざるを得ない(巨大地震で首都高が崩壊する場面は、出版当時ある識者からあり得ないと批判されたらしいが、残念ながら阪神大震災で実際に起こり得る事が証明されてしまった)。 3月の震災による深刻な影響がまだ色濃く残るいま、この作品について賛否両論が出るのは仕方ないだろう。だが同時に、今だからこそという考え方もあると思う。シミュレーション小説としても秀逸な一面を持つこの作品、未読の方へは「未来への警鐘」としてご一読をおすすめしたい。
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
危機を救える人物像,
By ベンジャミン (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1) (文庫)
小野寺も、玲子も、田所博士も、筋を通して、真剣に生き、自己よりも他者を慮る人物だ。その人物像が、まことにすがすがしい。30年前に読みふけった時も、そして、今も、そのすがすがしさは変わらない。危機を救える人材は、そして、新しい価値観を築ける人材は、そうした人物なのだろうという、そういう主題を一環して感ずる。身を賭して日本国民を救う小野寺の行動を描ききる映画作品と、主題は大きく異なるが、それぞれ、存分に楽しめる。
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