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いっぽう、国家とは何か、日本人が日本人であることの拠り所は何か、日本人は異質の文化や人々とどのように対峙していけるのか等々、興味深いテーマが提示されながら、それらが十分展開しきらないうちに、中途半端な形で物語が終わってしまったのは残念だ。それらは『日本漂流』と題される第2部に書き継がれる予定だったようだが、今日なおその続編は陽の目を見ていない。だが、見方を変えれば、もう作者の手をわずらわせる必要はなくなってしまったのかもしれないとも思う。とっくの昔に国際社会との密接な協力関係、あるいは戦略的なかけひき抜きでは存立し得ない状況に置かれているこの日本が、地質学的な大変動を持ちだすまでもなく、政治的にも経済的にもいまや沈没寸前となっている状況下で、ほかならぬ私たち自身が今この続編を現に生きているかもしれないのだから。
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