この本は、元禄時代の作家、西鶴の原作を、現代訳に直した翻訳本である。この本は、世界最初の経済小説である。また、日本で最初の、億万長者になるための本格的教訓書である。富を築くことを目的とする町人のために、その目的をとげた人々の生き様を記録して、のちのちの人のために参考に供するための指南書である。
サブタイトルは、「大福新長者教」であるが、これは、寛永四年(1627)刊の町人訓「長者教」に対する「新長者教」を意味している。寛永の「長者教」は、34ページの所謂パンフレットで、三人の長者が童子の問いに答えて、長者になる心得を語っている本で、個人的な修養を、抽象的に説いているものです。
日本永代蔵は、6章30話で構成されている。そして、その2/3は、親のゆずりをうけず、自分ひとりの才覚を活用して長者になった話を肯定的に描いており、残りの1/3は、インモラルな手法で長者になった話を、否定的に描いている。そして、好色と贅沢により没落した二代目の話を描いている。
「現代語訳 日本永代蔵」は、現代訳になっているとは言え、正直、固有名詞など、少し読み難い感じを受ける部分もあります。しかし、各話4〜6ページの短編集なので、実際は簡単に読めます。そして、内容も、倹約、勤勉、正直など、真面目に生きることを説いた本であり、好色と贅沢を戒めている分りやすい内容である。商売の基本は300年以上過ぎた今でも全く変わらない、と改めて思った。