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日本書紀の謎を解く―述作者は誰か (中公新書)
 
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日本書紀の謎を解く―述作者は誰か (中公新書) [新書]

森 博達
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

720年に完成した日本書紀全三十巻は、わが国最初の正史である。その記述に用いられた漢字の音韻や語法を分析した結果、渡来中国人が著わしたα群と日本人が書き継いだβ群の混在が浮き彫りになり、各巻の性格や成立順序が明らかとなってきた。記述内容の虚実が厳密に判別できることで、書紀研究は新たな局面を迎えたといえる。本書は、これまでわからなかった述作者を具体的に推定するなど、書紀成立の真相に迫る論考である。

登録情報

  • 新書: 238ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (1999/10)
  • ISBN-10: 4121015029
  • ISBN-13: 978-4121015020
  • 発売日: 1999/10
  • 商品の寸法: 16.8 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
形式:新書
聖書では旧約がヘブライ原典の用語法の分析により主にエローヒム資料とヤハウィスト資料より成立することが解明されたり、新約での四福音書・使徒行録、書簡等の文書相互の関係や述作者の特定が進んでいる。本書は本邦の日本書紀の成立をその漢文表記を精緻に分析し、渡来人によるα群とそれを書き継いだ倭人によるβ群による合作だと結論づける。記紀が編纂された頃の日本語は、現代よりも母音や子音が豊富で、それに合わせて主に固有名詞の表記で漢字が明確に使い分けられた。また漢字音も倭人や朝鮮半島の渡来人が使用していたものや、中国人が直接持ち込んだものが混在していた(漢音・呉音等)。だから渡来中国人が書く文章と、中国語に不慣れな倭人の漢文が自ずから異なったものになるのは当然である(漢文に倭人に特徴的な誤用・変用が現れる)。著者は、日本書紀を森にたとえて、先住の倭人と渡来人の共同作業のあらましにひとつの結論を与えている。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By VINE™ メンバー
形式:新書
1999年に発刊された本書は、最近古代史に興味を持っているという知人に紹介されたものですが、「歴史+ミステリ好き」には最大賛辞をもってオススメの書物です。

題名の「謎」とは、日本書紀の術作者−−執筆者は誰か?というもの。
その「謎」を文体から推理していくという過程は、ミステリとして読んでもよいのではないかと思います。

日本書紀は漢文で書かれており、専門的な素養のない私にしてみれば、高校で学習した「漢文そのまま」で、羅列した漢字に、返り点がついているもの、という以上の感覚はありません。
また、「万葉仮名」の部分も、仮名を漢字で表記しているもの、ぐらいの認識です。

しかし、著者に言わせると、中国語のネイティブ・スピーカーと、日本語のネイティブ・スピーカーの書いた部分がはっきり分かる、とのことで、本書はその分析を、「森の探検」に例えて行っていきます。

日本書紀全30巻を、α群(中国語ネイティブ・スピーカー執筆)とβ群(日本語ネイティブ・スピーカー執筆)に分け、極めて理知的・論理的に「真相解明」を行っていくところは、「正に名探偵の推理」。

本書には、術作者の正体も最後に解き明かしており、その意味では、出来の良いミステリを読んだような感覚になりました。
ただ、それによって、新たな謎が展開−−「十七条の憲法」を聖徳太子が本当に書いたのか怪しくなってくるなど、解き明かされない謎も多々生み出しており、本書は、「ミステリ巨編第1部」といってよいのでは。

ネット検索してみると、「第2部」にあたる著作も出されているようで、「日本史上の大発見」が発刊から10年以上が経過し、どのように展開しているのか、大いに興味を抱いています。
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20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 白頭
形式:新書
タイトルが正直いまいち。これじゃ、凡百の書紀入門書みたいで手にとってもらえないのでは?書紀の作者に興味のある人間なんてそういないし、この本は作者もそうだけど、むしろ著者がその結論に至る分析過程や切り口にこそ醍醐味がある。導入部にこれからの論証を森の探索に例えての口上があるのだが、正直芝居がかってて「なんだか大袈裟だな」といやだったのですが、本論に入ってからは、著者の着想の面白さと、分析の手さばきの鮮やかさにどんどん「森」の奥深くへひきこまれていきました。ネタバレはさけますが、例えるなら、上質の推理小説といっていいでしょう。久しぶりに中公新書でワクワクしました。文句なく、面白く、独創的な一冊です。
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