- 【 講談社ストアはこちら 】 -累計750万部を突破した大人気コミック『宇宙兄弟』や、『のだめカンタービレ』や『ホタルノヒカリ』といった名作を次々と生み出した雑誌『Kiss』の20周年特集など今注目のタイトルや特集は講談社ストアへ。
登録情報
|
が、「書記」はやや変則的な「漢文体」(これには森博達氏の労作がある)で書かれていて、高校レヴェルでは原文の一部に触れる機会もないだろう。
が、この本の企画者は「記紀」の並存する意味・価値が決定的に解っていない。「記紀」は対象とする範囲に違いがあるが、多くは重複している。かつ共に7世紀以降律令国家として誕生した古代日本の「政治的文書」である。
が、ここが大事なのだが非常に多くの「違い」がある。かつ「書記」には本文として採用されたものの他、ひどく多数の「異伝」が記録されている。
有名な津田左右吉の記紀研究もこうした一見明白な「矛盾」の徹底的な本文批評が基礎になっている。
敗戦で政治的制約から解放された「古代史学」はこれらを継承発展させつつ、世界レヴェルでの民俗研究や考古学と連携して「日本の古代」を解明してきた。
重ねて言うが、「記紀」は特にその記述の一致と共に「差異」故に近代古代史の基礎たりえたのだ。が、本書の編者の遠山氏は本書を見る限りこうした理解が無残なまでに欠落している。
読者には中公文庫で復刊されたシリーズの井上氏の「第1巻」をあえてお勧めする。40年前に「記紀」研究は既にここまで成熟している!
最初のスサノオ神話については、従来、スサノオが天界から追放される原因となったのアマテラスへの乱暴狼藉を、アマテラスの祭儀の場を日常世界と隔絶させるための儀礼的行為を象徴しているのではないかと分析する。
全体を通して、それぞれに、「へー、そうかもしれないな」と思わせられるようなところがあり、古代史の見方が、これまでより多角的に見られるようになる本である。
でもこの常識的な本読んでもやっぱり聖徳太子の存在がどんどん軽くなって
いるというのはひとつの発見と言えるかもしれない。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|