この本には13の地域が取り上げられています。
「東京物語」(尾道)、「幻の馬」(八戸)、「三太物語」(道志川)、「挽歌」(釧路)、「張込み」(佐賀)、「ゼロの焦点」(能登)、「カルメン故郷へ帰る」(軽井沢)、「銀心中」(鉛温泉)、「足摺岬」(足摺岬)、「ここに泉あり」(高崎)、「夕陽の丘」(函館)、「夜の河」(法隆寺)、「浮雲」(屋久島)
これらの映画、場所とも、ここに取り上げられている一部でしかありません。又、「浮雲」のように、ロケ地は別の場所というケースもあります。
でも、いずれにしても、著者のその地での人との出会いや食との出会い、風景との出会いが、丁寧に優しさを込めて描かれています。そこには、著者の映画(場合によっては原作)への強い愛情が感じられます。
だからこそ、読むものにその場にいるような臨場感を感じさせてくれるのでしょう。
それと同時に、この本を読んでいると、同じようにその地を訪れて見たくなりました。
それは、「あとがき」で著者も書いているように、すでになくなってしまった30年代の日本の再発見なのかも知れません。