私は著者の全集で読みました。日本文学史の授業で習った作品は随筆や小説が多かったが、この本により、非論理的であると考えられてきた日本語は使う側によって十分論理的になることが例証された。
特に注目すべき点は、鎌倉時代の僧たちの著作である。著者の言うとおり、この時代の仏教者たちの著作は深い思索と宗教実践によって得られた経験を思想体系にまとめている。しかしこれらの優れた作品は中等教育では教えられていない。残念である。
印象的なのは、第二次世界大戦中国家主義思想に利用されてしまった日蓮である。彼は初めて仏教は国のためにあるのではなく、国が仏法のためにあるべきだと主張したそうである点は興味深い。つまり国家が中心なのではなく仏法が中心なのである。彼は今までになく、釈迦の教えに忠実であり、社会的にも実践していった点は学校の国語でも社会科の時間でも習うことができなかった。
このような点からも本書は一読する価値があり、古典への導入となる良書である。