「『ベストセラー』『名著』100冊余をメッタ斬り!」という帯のアオリに引かれて買ったのだが、期待したほどの内容はなかった。著者自身が書いているように「数多くの文献に当たれば当たるほど、はっきりしたことは言えなくなる」からかもしれない。
それよりも気になったのは、特に後半に行けば行くほど、「日本文化論のインチキ」よりもむしろ「日本文化論者のインチキ」を暴く(?)ことに熱心になることで、ところが私自身は「日本文化論」には興味があっても、「日本文化論者」には興味がないのである。「○○(人名)は最近ようやく考えを変えたようだ」とか「××(人名)は相変わらずだ」などと書かれても、退屈なだけだった。
著者のファンにはそういう部分もまた魅力なのかもしれないが、私は著者の名前を見るのも初めてだったので、何か、「講演の題目に惹かれて入場してみたら、実は演者のファンイベントで、期待していたテーマについてはあっさり、後の大部分は“ファン”向けの、楽屋落ちのネタの繰り返しだった。」という、そんな居心地の悪さを感じた。
そもそも「日本人論」や「日本文化論」なんてものは、基本的にジャーナリズムの世界の話であって、アカデミズムの話ではないだろう。それを「学問的でない。」などと言われても、「うん、そうだよね。」としか返しようがない(苦笑)。
ただ著者の主張に頷く部分が多いのも事実ではあるし、「日本人論」や「日本文化論」を何か真っ当な学問領域と思い込んでいるような人には、こういう本も必要なのかもしれない。それに何より、たくさんの「日本人論」や「日本文化論」の書名を紹介してくれているので、逆に一種の「読書ガイド」として役に立つ(笑)。
期待したほど面白くはなかったが、「実用書」としての価値を認めて星2つ。