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日本文化の歴史 (岩波新書)
 
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日本文化の歴史 (岩波新書) [新書]

尾藤 正英
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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「いま、日本の文化が問われている。一つには、私たち日本人の自己認識(アイデンティティの確立)のためであり、もう一つは、国際化の潮流のなかで、日本とは何かを、世界に向けて発信するためである。いずれの目的のためにも、はたして私たちは、日本あるいは日本文化についての、明確な認識をもっているといえるのであろうか」
著者はまずこう問いかけ、古代から近代にいたる日本人の思想、日本文化の形成過程を描き出していく。目からウロコの落ちる本である。たとえば、日本人は「お上(権威)」に弱い、あるいは「個」がない、という常識がある。明治以降、日本が異例なスピ-ドで西洋文化の導入に成功したのは「儒教文化圏」だったからだという説もある。しかし、日本人が権威に弱くなったのは、西洋文化の導入によって天皇の君主としての性格を西欧的皇帝に近いものにした明治以降のことで、本来の日本は「権威否定」の思想を伝統的に持っていた。近代化に成功したのも、鎌倉時代以降に形成された「武家」が、儒教の「礼法」的支配階級ではなく、現実政治の実務家と技術者をそろえたテクノクラ-ト集団だったからだと言う。
日本人自身が抱いている日本人像が、いかにいい加減な知識で作り出されたものであるかが、よくわかる。このようなステレオタイプの自己認識が生まれた原因について、著者は「戦後改革の中で、過去の伝統を『封建的』とみなし、これを廃棄しようとする風潮が生まれて」、歴史と現代の断絶が大きくなったため、と見ている。(伊藤延司)

出版社/著者からの内容紹介

日本人の日常生活に息づく伝統が解体しつつある今,私たちの自己認識はどこにたどり着こうとしているのか.人々の価値観や生活意識を示すものとしての宗教や思想を考察の中心にすえ,さまざまな歴史的契機に応じて常に新しい時代の文化を主体的に形作ってきた日本社会の活力と,それを支える固有のエートスを描き出す.

登録情報

  • 新書: 239ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2000/5/19)
  • ISBN-10: 400430668X
  • ISBN-13: 978-4004306689
  • 発売日: 2000/5/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 今でもそうなのですが、「日本人はお上に弱い」とか「日本では個人が育たない」と日本をけなす「日本人論」がある一方で、「日本には独自の文化がある」とか「和魂洋才だから近代化が実現できたのだ」といって盲目的に日本を礼賛する「日本人論」が繰り広げられています。

 しかしこの本の著者は、歴史資料を駆使して上記の「日本人論」はまったく根拠薄弱で歪めれられたものでしかなく、その元となったものは高々明治時代以降の近代天皇制国家成立後の話でしかないことを証明しているのです。

 そして、文化史的視点を元に「壬申の乱」や「太平記」、「桜田門外の変」などの歴史的事象を分析し、日本人は決して昔から「お上」に弱い存在ではなく、権威に対して反抗的なところが多かったことや、独裁政治に対するアレルギーが強かったことを挙げています。
 
 さらに中国や韓国とは異なり、純粋な宗族制度が形成されずに雑多なものとして残ったことや、儒教が生活領域にまで浸透していなかったことにより「公」概念のずれが生じたことや、さらにはそのような共同体の中での関係から個人が構築されていったことをのべ、個人形成に関して歴史的背景の異なる西洋と優劣比較することの愚かしさを述べています。

 その上で徳川幕藩体制のあり方が日本の社会構造をよく反映したものであり、その中で武士が単なる職業軍人ではなく技術者としての技量がより重視されていたことなどが説明されており、そのような歴史的省察を欠いたままで西洋流の個人概念を押し付けることの愚を痛烈に批判しているのです。

 他にもいろいろ面白い話がありますが、今までの「日本人論」を根底から覆すこの著作は、大変コンパクトでかつ的確な本としてお勧めできるものです。

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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
もともとこの本は放送大学の教材というだけあって、
とても簡潔に日本文化の移り変わりが書かれています。
日本の文化が見直されている現代にぴったりの本だと思います、
また日本史の受験などのサブテキストとしても向いていると思います
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By renqing
形式:新書
 著者が徳川思想史の専門家であるので、若干そこに厚い。しかし、古代、中世にも興味深い記述が多い。和辻哲郎の「祀る神」論や、御霊思想からではなく人が神として祀られたのが秀吉の豊国大明神を嚆矢とする、などいうことはこの書から私は知った。興味深い記述が多いにも関わらず、索引がないため、ちょっと使い勝手がよくない。これは編集者の責任。推奨。
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