皇室、稲作、和食、祭り、着物など日本文化を特徴づけるものは数多いが、その中核にあるのは稲作である。それらの諸文化は稲作に由来するものだし、また、弥生文化が成立することで、エネルギー生産の増大や社会階級の文化がおこり、今日までの歴史的発展が続いてきたからである。
しかし、長い歴史のスパンで見れば、それ以前の数千年か、数万年の方が長いのである。それが基層となって我々の思考や文化の根幹をなしていると考えるのも無理ではない。
本書は原初農耕文化の第一人者が、北からの「ナラ林文化」、南からの「照葉樹林文化」概念を導入し、東アジア世界規模でのスケールから、ダイナミックな日本文化の生成と展開を描き出す。日本列島のゆるやかな文化の統一性と、しかしまた同時に垣間見られる東西の文化差とを合理的かつ実証的に解き明かす、知的興奮の仮説枠組みである。
日本文化を論じる上では避けて通ることのではない基本文献であるといえる。