かつて、とある大学の法学部は、憲法ですら必修でない「自由の学府」であった。特に政治学系は神島、高畠、栗原など充実の教授陣であり、新進気鋭の若手として北岡が「日本政治史」を担当。まだ著書は「日本陸軍と大陸政策」のみであり、本書のようなひじょうにわかりやすい教科書は存在しなかった。(敬称略)
しかも、後期からは研究留学のため2コマ連続の講義だったので学生たちは、ほとんど意識が飛んでしまったのだが、初回の講義で「政治史とは、民衆史でも文化史でも地方史でもなく、政治エリートたちの権力闘争史である。」との定義が今でも強烈な印象として残る。
明治維新から戦後体制まで、やや駆け足ではあるが全15回、各45分の放送大学テキストとして書かれただけあり、教科書としても使えるし、逆に政治史に興味がない人にも強く勧められる。あの頃、この本があればもうちょっと成績が良かったかも知れない・・・。