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日本探偵小説全集 (10) (創元推理文庫 (400‐10))
 
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日本探偵小説全集 (10) (創元推理文庫 (400‐10)) [文庫]

坂口 安吾
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

戦時中、犯人当てゲームに熱中し、古今東西の探偵小説を読破していた安吾が、満を持して発表した『不連続殺人事件』は、読者に挑戦した堂々たる本格巨編である。さらに結城新十郎と勝海舟を主人公とした『明治開化安吾捕物帖』や「アンゴウ」等数々の短編において、見事な探偵作家ぶりを発揮している。解説・都筑道夫 挿絵・高野三三男


登録情報

  • 文庫: 754ページ
  • 出版社: 東京創元社 (1985/10)
  • ISBN-10: 4488400108
  • ISBN-13: 978-4488400101
  • 発売日: 1985/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 126,973位 (本のベストセラーを見る)
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By tsuru
 坂口安吾は、同好の士と真犯人を推理する事で競いあうという、一種、ゲームを楽しむような感覚で、古今東西の推理小説を読破していたそうです。そんな彼が手がけた推理小説が収められている全集であるだけに、読み進めながら、真犯人を推理していくという、推理小説本来の楽しみ方を再確認させてくれる一冊となっています。特に、読者へ挑戦する旨が宣言されている「不連続殺人事件」と「明治開化安吾捕物帖」では、それが顕著です。
 特筆すべきはやはり、「不連続殺人事件」でしょう。登場人物が膨大な数にのぼりますが、個々のキャラクターが明確に描き分けられているので、読んでいて混乱する事はほとんどありません。登場人物の奇妙な相関図を紹介する導入部から、あっという間に作品世界へ惹き込まれてしまうはずです。
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不連続殺人事件は、出版社によって、初出時に毎号ついていた「読者への挑戦」がついているものとついていないものがある。そして、本書にはそれがついている。「読者への挑戦」があるとないとでは30%くらいこの小説の面白さにひびいてくるので要注意。
また、短篇「風博士」は、全篇これ禿頭を罵倒するだけ、というすさまじい内容で最高。
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幸運な作品 2010/10/24
 「不連続殺人事件」が探偵小説クラブ賞を受賞したのは、幸運だった。この年の候補作に横溝正史の「獄門島」高木彬光の「刺青殺人事件」があり、こちらが受賞しても全くおかしくなかった。クラブ側に文学者「安吾」の威光に負けた部分があったのだろうか?もし、受賞していなければ、「不連続」は忘れられた名作にされていかたもしれない。幸運である。誰にとって??

 他でもない。我々読者にとってだ。

「不連続」は、まぎれもなく傑作である。終戦直後の混乱の都会を離れた避暑地に集まった「芸術家」達の間でおこる連続殺人。一癖も二癖もある連中で尊大、自虐、痴態、エトセトラ、エトセトラ・・・・全く常識が通用しない世界。そこで起きる事件に一般論理が通じるのか??

 しかし、最後に明かされる真相に読者は驚くだろう。え、たいしたトリックもないし・・・・そんなすごいか??そう思われるならパズラー好きとはいえない。この作品で「安吾」がねらった小説全体の工夫を見るべき。作者の作風自体をトリックにしてしまう。そういう意味では乱歩の「陰獣」と共通する。密室やアリバイにうつつを抜かさない分、現代的ですらある。トリックマニアが喜びそうな「刺青殺人事件」はそうした意味では古い作品だと思う。現代的という点なら、「獄門島」ですら「不連続」に一歩およばない。「獄門島」は、本格探偵小説には犯人のトリックが必要という呪縛から抜けていない。もちろん、「不連続」にも犯人が仕掛けるトリックはある。が、作者の狙いはそこにない。特定の条件化と人間関係それ自体が謎となり、トリックになっている。それが、作者が意図的に行っている。そこが現代的なのだ。「獄門島」は結果の傑作だが、「不連続」は作者の狙いで傑作になっている。おそるべきことだ。

 登場人物は読者の共感を得ないような「イヤなやつ」ばかりなのだが、不思議と読ませる。「イヤなやつ」ばかり登場して小説としてどうなの?と感じさせる鮎川哲也の「りら荘事件」とはえらい違い。やはり、「安吾」は偉大。よく考えるとこの2作シュチエーションは似てる。それだけに「安吾」のすごさが浮かび上がる。

 で、多くの出版社から発売されているのになぜ値段が高い「創元」版なのか?雑誌連載時に毎号掲載された「作者の言葉」があるからである。これがあるとないとで作品の評価が違ってくる。ここにもトリックが仕掛けらているからだ。値段は高いが読むなら「創元」版がオススメ。それに「アンゴウ」「安吾捕物帳」「選挙殺人事件」といった短編も収録されていてお得感は高い。

追記:名作と名高い諸作を、「不連続」の引き合いに出して小馬鹿にしている印象を持たれるかもしれない。いや、いや、私はただ名作、傑作と名高い作品とくらべても「不連続」はずごいといいたいのだ。どう読みたくならないかなぁ・・・・笑
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