1992年に出た単行本の文庫化。
酒呑童子から宇治の橋姫まで、8つの妖怪事件を取り上げ、民俗学的な解説を施したもの。非常にわかりやすく書かれており、青少年向け。
妖怪とはいうものの、酒呑童子、天狗、玉藻前、崇徳上皇など歴史的・文学的に有名な怪異がテーマとなっている。酒呑童子は何者だったのか。天狗が生まれた理由は何か。玉藻前を退治する必要はどこにあったのか。それらの探求により、各時代の政治状況や庶民の生活誌が明らかになっていく。中世から近世へという時系列上に並べられていることもあり、日本の怪異なる心性の変遷もうかがえるようになっている。
大人の読者にとっては物足りないかも知れない。