本書で、作者は盛んに、日本の漫画・アニメの、他の国(というかアメリカ)のそれに対する優位性を説いています。
これだけなら良いのですが、日本の漫画・アニメを研究・分析してその独自性を解説する、というような方法は採っておらず、ひたすらアメリカンコミックを比較対照として持ち出し、常にアメリカンコミックを取るに足らぬものとしてこきおろしているのが気になります。
序文の内容なども勘案すると、どうも著者がこの本を書いた動機は、タイトルにあるような日本漫画・アニメの、他の文化圏のそれにはない独自の可能性を語るためというより、アメリカ人やアメリカンコミックに対する嫌悪の表明だったのではないか、と個人的には思われます。
という訳で、アメリカやアメリカ文化に対する悪口を読みたいという読者には強く推薦出来ます。
反対に、真面目に日本漫画・アニメの可能性について論じている本を読みたい方や、アメリカンコミックに対して関心を持たれている方には、あまりお薦め出来ません。本書中で著者が引用している、”「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか(大塚英志)”や”アメリカン・コミックス大全(小野耕世)”などの方がお薦め出来る、あるいはこれらと併読されることをお薦めします。