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著者がこの本で訴えているポイントは以下の3つと思います。
1
米国型コーポレートガバナンスは、株主が固定的で社員の流動性の低い日本企業の仕組みとは不整合で、そのまま流用することは危険
2
日本型コーポレートガバナンスの仕組みは、日本的な強さの源泉であった
3
グローバルスタンダードと日本型コーポレートガバナンスが不整合なのは確かであり、日本型コーポレートガバナンスの良さを残したまま両者をシンクロさせるために、いくつかの制度面での変更が必要である
特に1、2を論証していく前半のプロセスは、日頃から何となく違和感を感じていた事象に対し、思わずうなずかずにはいられない説得力で分析を行っており、生半可な知識で「株主主導型ガバナンァ?は常識だよ!」とノタマウ輩を木っ端微塵に粉砕する威力を持っていると思います。
残念なのは3の部分で、提言が小生から見てもあまりに非現実的であり実現が極めて困難なことでしょうか。
願わくば、最善の処置か無か、という提言よりも、より現実的に現状の会社法や日本における企業の仕組みを前提としながら、半歩でも前に進むための方策を提言してほしかった。
思うに、著者には「経営に関することに関しては、とにかくアメリカが良くって日本はダメ」いう現在の風潮が、本来的に日本企業が有していた強みすらダメにしてしまうのではないか、という危惧があるのでしょう。
いずれにせよ、企業統治、というテーマについて、これほど根源的に「なぜ株主なのか?」「なぜ出資者が一番偉いのか?」「株主??選出されるとしながら現実は従業員の上がりが役員ではないのか?」「そもそも日本とアメリカでは何が違うのか?」ということに関して真摯に取り組んだ本はないのではいかと思う。
テーマも重く、軽く読み飛ばせる本ではありませんが、企業統治ということに関して関心があるのであれば、ぜひご一読をお勧めします。
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