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例えば、中国は賃金の安さこそ大きな武器だが、法律や制度など市場経済の基本的体制はまだ整っていない。中国の輸出の大部分を担っているのが実は中国に進出した外国企業である。韓国経済ではサムスン電子の存在感ばかりが異常に大きい。全労働者に占める製造業労働者の割合は急減し、もはや製造業の国とは言えないほどだ。依然として階級制度が残るインドは貧困が蔓延し、一般国民の教育水準が低い。
著者は、客観的・相対的に立ち位置を評価した時、「日本力」は大きいことを認識すべきだと指摘。歴史、文化、現実の経済力に対して、過度な悲観論を抱き、本来あるべき成長の道を踏み誤ってはならないと呼びかける。
(日経ビジネス 2005/09/05 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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韓国と中国の、日本に対する「嫉妬心」に焦点を当てるのではなく、日本の
ポテンシャル~~を「日本力」としてまとめ、そこから日本がどう見られている
か、経済、外交がどのように展開していくかという視座を提供しているのが秀
逸である。また、「日本力」の定義にしても、私はモノ作りの独創性に関して
は著者とやや異なる感想を持ったが、偏らず、誇大妄想的でもなく、これから
の日本人が、自らの背丈をはかる物差しとして適当であると思う~~。
いま、よしあしは別として、日本とその周辺諸国とのパラダイムが変わりつ
つある。その変化は今までと違って、おそらくわれわれ国民の感情が変わるこ
とがベースとなるだろう。本書はその変化のマイルストーンとして意義のある
本として記憶されるであろう。
ただし、一カ所だけ「日本力」を日中の歴史と中国人の感情にからめた記述
があり、~~それが後の「日本力」の定義のところで触れられておらず未整理の印
象が残った。きちんと読めば正確に理解できるが、誤読されなければいいが、
とちょっと懸念した。~
理由は、巷にあふれる日本への悲観論を否定し、民族や文化から、企業やテクノロジーまで、日本には如何に優れた点が多いかということをわかりやすく述べているからではないだろうか。また、「失われた10年」といわれる90年代に関しても、独特の解釈をしており、決して無為に過ごした期間ではなかったと納得させられる。
そして近年存在感を強め、様々な面で脅威を感じることもある中国や韓国については、実は、日本的悲観論を通して見た結果であって、冷静に分析すると、過剰に考えすぎていることがよくわかる。本書は、その点を明快に示している。ミクロな問題に惑わされることなく、もっと親密になるべき相手であって、相手もそれを望んでいるのである。
この本の中で特に印象に残ったのは、中国には祭りが無いという話であった。これに比べて日本には非常に多くの祭りがあり、しかも多様化している。これが国民のガス抜きになっていると同時に、創造力を養い、日本力の一つの源泉となっているというのが著者の考えである。こんな話は今まで聞いたことがなかったが、強く共感するものがあった。
この本は、将来に希望がないと思っている高校生、大学生、それからニートと言われる人にもぜひ読んで欲しいと感じる。
本書では、伊藤は今一度我が国の「底力」に目を向け、その
産業、文化、民力、自由の「強み」を、自身しばしば訪れる
アジア新興三国(中韓印)と対比しつつ論じている。1990年代に
苦しい調整を終え、今や新世紀に最も適合した産業とオモシロイ
文化を併せ持つ「クールな」国、それが日本であると。周辺諸国の
発展をいたずらに恐れ、少子高齢化におののく必要などないのだ。
我が国は我が国の強みを生かせばそれでよい。人口一億人の国に、
少々問題があっても当たり前。前向きに一つずつ解決すればいい。
読んで元気が出る本です。実際、例えば会社四季報をパラパラ
めくるだけでも、よく名前を知らない会社で「世界シェアトップ」
なる枕詞のつく企業がいかに多いことか。先人が営々と積み重ね、
いままさに花開きつつあるこの国と民族の力を信じて生きていこう。
そんな気持ちにさせてくれます。
伊藤はまえがきで、「(日本人が陥りがちな)悲観論は免疫力を
低下させ、国の体力を奪う」という。ならばこの本で理性的な
楽観論に触れ、「心の体力」をつけてみるのがよい。
くたばれ悲観論!
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