(「第一巻」からの続き)
本書の考察主題は、「戦前における活動の検証と理解を基に、執筆当時(1976-77)までを積み重ね、概観すること」である。しかし、共産党の特徴の多くが、「戦前に依存している」という著者の判断から、構成の主軸は、戦前の歴史となっている。そしてその中で、適宜解説を行い、執筆当時における関連や伏在を示す、という方針である。だから、一直線的な論証というよりはむしろ、樹状図的と言った方が良いかもしれない。因みに、対象とした年代は、ロシア革命(1917)辺りから、1937年位まで――主軸としてだが――である。地域情勢も、この活動の場合重要である。勿論中心は日本であるが、その次は旧ソビエト――本部、もしくはヘッド・クォーターがあったのだから――である。中国については、詳しくは触れていない。
本書は、過去においてラディカルな活動を行った集団の歴史を知る、ということに加えて、さまざまな知見を与えてくれる。これらが本書の美点である。
二つほど示すと、現代日本とも符合するインテリ層の「アキレス腱」の共通性や、一つの動機に、集め・集まる人々に宿る「日本的ユニークさ」などである。小生は組織集団に関心があって本書を手にしたが、得るところ多かった。
このように、多層的受容を可能にするのは、双方の側からの綿密な調査(参考文献・インタビューはおよそ1400点を超える!)と、第一巻で示した方法の故だろう。
これらがあいまって、非常に刺激的、かつ緻密で「説得的」な本書が生まれたと思われる。
大いに推薦
(因みに小生は、“カール”より“闘莉王”、“レーニン”より“浪人”モノが好みです)